2015年10月29日

七十二候暦2016年度版

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まさかの10月も終わろうというこの時期にやっとアップします。
やっとやっと全体像が今日お目見えで記念写真です。

例年なら10月最初に皆様のお手元へ届けられる様にやってきたので。。
今年の出店では「え?未だなの?」とか昨年のパッケージを持って来て下さったりとかで大変申し訳ない。
ハレハレのお客様はテンションが高い方が多いのだけど繊細さも兼ね備えてて。。
パッケージや軸にしてる竹などを持って来て「勿体ないから」と。。なんだか涙が出てしまいます。

やっと、少し出来上がってきました。
紙の説明や七十二候の説明はお手に取ってからのお楽しみとして。。
毎年悩む軸。
今年は柿渋の紙で和綴じにしました。
柿渋の紙を思い切って暦の中で使いたいけど、まだ勇気がない(笑)
そして、めくった紙を支えるのは・・・
犬枇杷の枝です。

これは22年前に幡多のこの地に越して来て、諦めかけてた紙漉を再開するきっかけになった木。
植物に詳しい友人が暫く滞在してて「ここは楮だらけだなあ」と呟いた。
「え?えええええ?!」
これが若山楮に引っぱりこまれた所以でもあります。実は一大産地だった。。。後になって知ります。

図鑑を開き「よっしゃ〜」と山へ。
あるで!あるで〜と背中に背負子で意気揚々と山から降りた。
下のじっちゃんが「何すんだ?」
「紙にきまってるでしょう〜」私の胸は反り返ってたと思う。鼻の穴も膨らんでたと思う。
今にして思えば都会育ちの「知らないって」怖いのであるだが。。

「おまえ、それカジ(この辺りは楮をカジという)じゃないじゃ、イタブーよ」
何度も聞き返してやっと聞き取れた「イタブー」
翌日じっちゃんも山へ着いて来てくれて、やっと楮が判った次第。
2年目の冬は車で時速50キロでも遠くの街道に楮を見つけるくらいになった、必死って凄い。

イタブーは犬枇杷で、大木になると実がついて食べられるらしいが、この時の失敗がトラウマとなってる私は
以後、イタブーは視界の外に追い遣った。
最近できた山をくりぬいた道に、このイタブーがまず生えて来て無視出来ず、散歩の度に目につく。
若いのは枝が赤く、すっと伸びて2年目に3つや4つに枝分かれする。
臭木も同じ所に生えるけど、すっと凛々しいのが犬枇杷。
犬枇杷が3年くらい繁殖するとその周辺にどっから来たのか?楮が生え出すというのを知った。
来たばかりの私にはそんな山の生成なんか判らなかった。
ここ3年くらい長太という相棒ができて山道通い始めて初めて判ったことです。
楮探すなら、まずはイタブーを見つける事、ついで臭木にも、そんなことを身を以てして知るのに22年だよ。
ああ、来世もまた紙漉か?楮農家?

22年前の笑える失態を想い出す。
実は私は高知移住は最終目標の沖縄移住の練習と踏んでいた。
この「イタブー」という通称から沖縄を強く連想したのである。
実際、凝りもせず沖縄へ家探しにも行った。
運悪く強烈な台風で船が止まり2週間動けない、島中の酒屋のビールがなくなるを知って諦めたという軟弱者。
滞在させてくれた家に何故か「お〜い龍馬」の漫画全巻が台風初日に届いたのも運命を感じた。

未だ沖縄は遠く、高知マジックにハマりっぱなしで首までドップリなんである。
そういう「初心忘れるべからず」の気持ちも込めて、来年の暦の「軸」をイタブーにしました。

まずは地元で痺れを切らしてる皆樣方へ11月の出店で出して行きます。
第二日曜日「海辺の日曜市」@黒潮町。
第三日曜日「サンデーマーケット」@四万十町「半平」
23日「土佐職人市」@いの町紙の博物館

発送体制が整うのは多分11月末です、ごめんなさい。
今夏の段取りの悪さでご迷惑かけっぱなしな色々です。
いやはや、反省至極であります。草鞋は2足まで!4足履いた今年やっと判った(笑)
今暫くお待ち下さい。
チラみせであります。今日は風が強かった。。冬の気配を運んできました。
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2015年10月25日

種を繋ぐ

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このひと月あまり、ポタリとも降ってません。
草刈り仕事、紙仕事には有り難いけど、農家の皆さんは悲鳴出始めてます。
日中は27度とかになるので、未だ半袖ビーサン。
温いからまだまだ〜と思ってた黄蜀葵。
知人達のブログには、根を掘り上げる作業がアップされだした。

今年は種取なので、放置プレーでした。
今朝見ると葉っぱは例の毛虫が食尽してて丸裸。。。
種が完熟して来て口を開けてるのも。
さて、掘ろうと思えば。。雨無しで固過ぎて無理です。
明後日辺の満月で一雨来そうなので、濡らしてはまずいからサヤだけ採取。
雨後に少しは土も掘り易くなるかなあと。。

ここんとこ暦描き作業に追われていて、種取どころじゃないのですが、これが結構好きなんです。
煮詰まったり、時間が中途半端なときに、少しづつ種取りできるように目の前へ置いておきます。
おくらと似て非なるが黄蜀葵の実。
結構トゲトゲなんですね。
こんなにあるけど、種だけにしたらちょびっとです。
種取してる側から種がはぜてこぼれ落ちます。これが来年また芽吹く。
本当に勝手に生えて来る(笑)
今年、いろんな方に差し上げて在庫ゼロ。とにかく種さえあれば繋いでいけるから頑張ります。

さて、今宵も帰宅が遅かったので暦は諦めて(笑)種取りします、秋の夜長の手慰み。
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2015年10月21日

イタブー

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朝露一杯の枝。
この辺りでは「イタブー」と呼ばれてる犬枇杷の枝です。
真っ直ぐで、途中から3つか5つに枝分かれしてて、ほんのり赤みを帯びてます。

こっちへきて1年目の冬。
紙漉を続けられるか?悩んでた頃。
植物に詳しい友人が「このへんは楮がわんさか生えてるな」のひと言に、驚いた。
図鑑で調べていざ裏山へ。

おほほ〜〜〜〜!仰山あるではないかああ!
抱えきれない程伐って降りて来ると、下の家のじっちゃん。
「それなにするんだ?」
「紙にするに決まってるじゃん!」
「紙になるのはカジ(この辺りでは楮をカジというが、実はカジ品種ではなく楮)お前のそれはイタブーよ」
ええ〜?
そうです、当時の私は楮が見分けられなかったのです。
得意になって大量に採ったのは「イタブー」で、ブーブー言うハメに。
楮と同じ所に生えてますね。。ほぼセットですから初めての人は大概間違えるんじゃないかな?
今では国道を時速50キロで走ってても周囲に自生してる楮を一発で見分ける様になれたけど
最初はこんなもんでした。
山で採ってた頃のいろんな失敗や武勇伝を想い出しては一人ほくそ笑んでます。

楮と思ったイタブーを採って来ました。
何になるかはこの後で。
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2015年10月17日

一年に1度

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人間は植物に生かされてる。
植物が無ければ生きて行く事は不可能である。
なので、とある本に書かれてあった「人間は植物に働かされてるのだ」という考え方は実に正しい。
ひと季節実である野菜を長く供給してくれる野菜もあるけど
圧倒的に植物は芽を出して、葉を展開して、花を咲かせて、結実し、実を落として次の季節を待つのが殆ど。
人間はその「結実」を頂くことで生命を繋げている。
これは食べる物だけに在らず。
衣食住全てに於いて、この結実の恩恵があってこそなのだ。

「かみ」というのも、この循環の中のひとつの仕事である。
今週若山楮の最終草刈りをしていて、柔らかかった葉が「ごわ、かさかさ」として来て、いよいよ一年の生命の巡りを終了する時期に入ったことを感じた。
あとは黄色くなって落下する。
楮は結構大木になるので、山などの自生してるのは、まだ艶ややかである。
紙にするために栽培してるのは、自生とは違う巡りの中で生きてて、もう刈り取られる準備を始めているみたいに見える。。。。

ここ数年、黄蜀葵も種取のみの、いい加減なやり方であった。
勝手に種が飛び散って発芽したのを草刈りの際に残すというやりかた。
種だけでも維持できれば。。。だったのである。
この数年そういうやり方だったので、ひょっとしたら土の中に種を蒔かなくてもできるんじゃないか?
そう思って、今年地面にただ蒔いただけというのをやってみた。
当然、草刈りも追いついてなくて、ほぼ雑草と一緒に育った。
此処数日で結実し始め、そろそろ種が採れそうになって来ている。
紙に使うのは根っこである。
今年はこれを掘ってみる。
掘るのが楽チンなら、来年も、地面に落として枯草や落ち葉を被せるやり方でやってみようと思ってる。
黄蜀葵の根を掘るのは重労働だからだ。

昨年、ここ数年の手持ちの種が無くなったので、今年大事なのは、何が無くても種取り。
一年に一度しか採れないから、ここで失敗したら来年どころか再来年になるんである。

同じくお米も一年に一度ですが。。。今年は完敗であります。
お米は買えるからという甘い考えですよね。
それでも来年の種だけは採れそう・・・。気を引き締めて採ります。
自家採取できないという世界は私には想像出来ない。
植物をコントロールできるとする、モンサントのやり方は絶対に植物界からしっぺ返しを食らうと思ってる。
謙虚に植物の世界に加えてもらって大変だけど喜びを共有してこそ、人の命は繋がっていると思いたい。
などと、偉そうなこと言えない今年の私は大反省大会です。
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2015年10月16日

根無しカズラ

今年は雨が多く、しかも草刈りが後手となってきちんと入れなかった。
ハレハレ本舗の畑でも毎年泣かされた「根無しカズラ」が、まさかの登場。
何?それ?ですね。
楮に巻き付き樹液を吸い尽くして枯らすので、私は正式な名前を知るまでは「エイリアンカズラ」と命名してた。
根元を切ってもへっちゃらで、触手を伸ばして獲物を狙うみたいに無風でも揺れてるんだから。
ほなら、それは本当で根っこ無しで宿主に吸い付きその栄養だけで生きてるというのである。

今週は若山楮の最終草刈り。
この根無葛にやられてたのが20株程あって、株ごとめった斬り。
6月に鹿の食害で育ちきらなかった一枚の畑、全部楮ごと刈りまくり。
台風で鉄柵が倒れた所から、侵入したイノシシ&鹿の被害で、20株程のダメージ。
楮に鉄柵が倒れてのボツが10株くらい。
と言う訳で、今年も色々ありました(笑)

それでも他は見事に育ってて、特に小学校が世話してくれてる畑の楮は凄い。
忙しいと通えなかったことで、色々と問題も出てしまい、大反省大会です。
そんなドラマの中で、本当に沢山の人が「若山楮」を大事に思って下さってることを再確認させて頂きました。

原料栽培は儲からない。
儲からないけど、地域の宝であり、作業は誇りを持てるはずと。。
はず・・はず・・ばっかりで前のめりに走って来た。
根無しカズラだったんかなあ。。。寄生してるだけだったんかなという想いに捕われてた此処2ヶ月。
トンネルの出口が見えず、光も見えず。

だけど関わってくれてる沢山のじっちゃん、ばっちゃん、先生、子供達。
ちゃんと根っこが育ってた。
根無葛にならんかった。
なので、今日も現れた根無葛をめった斬りしてきました。
あとは、収穫作業を待つのみです。

posted by ハレハレ本舗 at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 楮栽培復活事業

2015年10月11日

心の目

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私は素晴らしい環境の中に暮らしてる。
移住して来た22年前は海、山、川の全てに感動して「え?これってわざわざ時間こさえてお金使って来ないと無理な環境じゃないか?」いや。。。数日の休暇では、難しいじゃないか?
山に咲く花々は、冗談抜きに赤坂辺りの高級花屋で売ってるもんが、そこら中に咲き乱れてるし。
生け花の師匠の母は高知へ来た時に「み・・・・水引が。。。こんなに沢山って」って絶句。
いやもう水引なんかそこら中に今最盛期。
流木なんか東京時代東急ハンズでしか見た事無かったから、もう腹が割れる程有頂天になった。
東京で展覧会をすれば、母の友人の生け花の先生達が紙を買わずに流木を目当てに来たのだよ。

全てが嘘だろう?あり得ん!リゾートだあ!だった。
朝焼けや夕焼けにいちいち泣いてた(笑)
降る様な星を庭へ出て感動してそのまま朝だったり。
何よりも和紙原料に困ることのない環境。

それが・・・今ではすっかり当たり前になっちゃって・・・。
感動忘れてたなあと。
今日の夕焼けも美しかった。
いや、毎日美しいんである。が、美しいと感動する心の状態というのがある。
これを見失ってたなって今日思った。

今日の夕焼けはことのほか滲みました。
地元マーケットに出てて、沢山の方々が心配してやって来てくれました。
それが夕焼けを「はあ、綺麗!」って思えるゆとりを与えてくれたんだと思う。
大好きな画家のひとりターナー。
画集も持ってたけど、ターナーが毎日見られるんだ!って22年前移住して来たとき思った事を
想い出したのです。
とても大事な事をこの頃沢山想い出してます。


posted by ハレハレ本舗 at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年10月10日

解禁

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いきなりですが、夏頃から無理難題を頼んでいた若山楮の今年のチラシを作ってくれた彩乃ちゃんが入稿してくれたので、アップします。
校正作業が非常に苦手な私は、今回黒潮町内全戸配布というハードル抱えて、不安になった。
私の事をよく知ってる人でないと無理だなって思った。
思い込みが激しく、上手に伝えられず、ハンディーもあるので、そういうことを判ってる人でないと。。。
そういう人でないと作業が何倍にも膨れて苦しくなる。

そういう人は近くに一人しか居ない(笑)
一緒に田んぼも数年やってきてるし、彼女にすがろうと思ったのです。
ざっくりと説明しただけで、とっても素晴らしいフライヤーを作ってくれました。

最近ちょっと色々ありすぎて、頭ヒートアップしてる中、こんな暖かいフライヤーを作ってもらって感無量。
私の性格の問題が浮き彫りになってる最近。
「一人で突っ走らないで、もっと自分達と共有してほしい」と再三言われる場面が多い。
ハンディーあるが故に、これが非常に苦手な私です。
皆の声を拾う事が難しい。
ならば自分でできることは自分でやった方が楽だし、早い。
性格もあるけど状況もある。
ここを、きちんと説明できてなかったのもいけなかったんだが。。。
日々の暮らし、仕事に追われて余裕がなかったことが、ここへ来てかなりの問題となって壁になってきてる。
追いつめられてる感満載。
一方で互いに忙しい彼女とはほぼメールのやり取りだけで、こんな、素敵な仕事をしてもらえた。

SOSを出すのが苦手。
困ったと言えない。
「もっと言ってよ」と言われるけど最終決断は自分しか居ない。
ただ、今回思っていたより大勢の人が動いてくれてることを知って、驚いてやって来た事は無駄ではなかったんだと思ったことでした。

そんな渦中の中で生まれた今年の若山楮蒸し剥ぎイベントの、ほっこりするフライヤー。
今日何度も眺めて、やっぱりここだなあって思ったの。
自分じゃ絶対にこんなの作れない。
呑んだり、話したり、どかちんやったりしながらの間柄だったからなんだろうか?
この頃、関係性について嫌でも深く考えてしまう。
自分の事で「迷惑」だけはかけたくないという考え方は人生の何処でインプットされたんだろうって。
子供の頃幼稚園2回、小学校5回転校した私は「関係性」を築くタイミング逸したまんまなのか?


解決しなきゃいかんことが山積みな中で、ある意味答えを促してくれてるフライヤー。
7回目通算8年目の楮収穫がすぐそこです。
1回目の時は竃で迎える昇る朝日に泣いてた私だったからなあ。
随分と強くなったもんです(笑)

正式にキックオフになったらまたご案内致します。
あと2ヶ月を切った。
今一番大事なのは楮を収穫して紙の原料にすることです。
posted by ハレハレ本舗 at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 楮栽培復活事業

2015年10月01日

神無月

10月が始まりました。
雨です。今年は雨が多い気がします。

さて屋内の風通しの良い所で陰干ししてた真菰をお茶にすべく作業を始めています。
雨で暗いので写真がイマイチですが。。
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こっちの白いのは選別ではねた真菰。
これが紙になります。
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今家の中は真菰の良い香りが充満してます。
清く、深い香りです。
細かくカットして、焙煎してとまだまだ続きます。
同時に紙にする作業も。煮汁は見事な黄金色の染料になります。
捨てる所が全くありません。

種を地面にバラまいただけの黄蜀葵。
6月に土の上に撒いて枯草かけただけです。
しかも雑草にまみれてる(笑)今年も種取り優先ですが、根っこも抜いてみます。
もし、それなりに太っているようなら。。。バラマキで来年はやろうかと。
今の所倒れず沢山の実をつけてます。すごいなあ、手抜きもええとこですのに。
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今日から時間割が元に戻ってとなりました。
やること山盛りです。
posted by ハレハレ本舗 at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記