2016年10月25日

若山楮今年度の草刈り終了

昨夜、FBで愚痴こぼしたで、朝消そうと思ったら大反響(笑)
消せなくなりましたん。
ここ9年近く地域起こしとしての若山楮に全力で頑張ってるが故に自分の事後回しになってきてることへの自戒も含めてだったので。
やっぱり両方で成果出さないと、内情知らない人はそう思うねと。
身体は1個しかないのでねえ。
もっと「地域」の協力得られると思ってたのが、そもそもの間違いだったと気がついた時は抜け出せなくなってたとも言える。
当然と言えば当然。

だけんど一方で、楮マジックに見事填められたわけです。
逞しい雑草の如くはびこる楮の群生地。
きゃ〜きゃ〜と嬉しくてやってると、そこら中にあることに気がつく「地域外」からのオタクが更に輪かけるようにして
「あるで〜あるで〜凄い凄い」となって・・・今に至ってます。
これをどうやって地元に拡げるかと思ってやって来たけど。。
食いつかないのよなあ、地元。
単位面積で言ったらまだかろうじて楮は優勢だけど、収穫後の手間賃で消える。。。

お金に成るか?ならないか?そこら辺だと思いますが。
そもそも、大きい所が頑張ってもどんどん先細りしてて
もうお蔵入り一歩手前な世界故に、儲けだけ言われたら説得力は限りなく無くて。
そんなことも、自分が漉くだけなら全然どうでも良い事だったんですが、嫌でもこの世界の片鱗に触れる事ができたのも・・・。
「地域起こし」というポジションに立った御陰。
良く判ってる紙のメッカでは絶対やらへんな(笑)
助成金もらっても付け焼き刃に水で、助成金なくなったら終わり。
助成金はシビアだから、最低賃金とか言われますし(笑)
そういう仕組みには全くもって乗っからないし。

さてそんなこんな今朝は今年最後の地元小学校の「楮畑」授業日。
もう芽掻きも草引きも終わりました。
うっすら黄色くなった葉っぱをはたいて落としてる子。
自分の背丈の3倍に伸びてる先っぽ見てる子。
軽トラで通りかかったおんちゃんが
「仰山子供が来て何しよる?」と目を細めてた事。
ああ、これで充分じゃないかって思った。

ほなら、数人が叫んでる。
まあ、毎回畑では色んな事があり、食べられる草のことなんかも話してるので。
今日は「ニラ」がそこら中に瑞々しく生えてるので「これニラだよ」って言うと「え?誰が植えたが?」
ノビルも仰山あって「これ美味しいよ」というとすぐちぎって食べる子。「中嶋さん、コンニャクどうなった?」
ああ〜子供って一度話した事は絶対覚えてるんだなあ!
「そろそろ掘ってみるから」慌てて言いました。
大人である自分しっかりせいよ!って(笑)

で叫んでる先へ行くと、蛇の抜け殻。

脱いでまだ時間経ってない。
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子供が切っちゃって繋げた。
見事な抜け殻で、頭も目もあります。
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ほんとに全部脱皮するんだと私も驚いた。
長さは1b以上ありまして。
「これ財布に入れたらお金ガッポガッポ!」と言うと
「聞いた事あるで〜」と。
今日は昨夜愚痴言ったせいか・・かなりの厄日になってた。
なので、獣の被害もなく(毛虫はやってくれたけど)無事収穫までに漕ぎ着けそうなので、鉄柵にお守りとしてぶら下げて来ました。

地域が起こらなくても、この畑の今年の出来映え見たら
小学生が手入れした楮はダントツでした。
「今年の畑作業は今日で終わりました。皆の頑張り見てて私達ももっと頑張らないといかんなと思いました、ありがとう」
お世辞でもなんでもありません。
子供達が「なんで下の楮はここと違うの?」という鋭い指摘(笑)
大人は忙しいんだよ、お金に換算すると・・・って言いそうになって、はたと気がついたんですね。

蛇の抜け殻を見つけたのも子供達。
そういう柔らかで無垢な気持ちに今日出逢えておばさんは感無量。
高知大学の地域協働学部が入ってくれるということを、この小学校の校長先生はとてもとても楽しみにしてくれてます。

地域起こしというのは、子供達と子供達に関わる父兄や先生達なんだと。そしてそういう受け皿の中に飛び込んで来てくれるのは
実は地元以外の人達。
これからの「地域」の在り方の先っぽにいるなあって思います。
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2016年10月20日

2016若山楮イベント

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今年も来ます。若山楮の収穫イベント。
昨年のフライヤー同様、京都から移住して来たアーティストの山元彩乃ちゃんの作。
去年のもとても好評で、「そもそも紙ってどうやってできるの?」という素朴な疑問に優しい絵で解説してくれて
映像で取材に来たケーブルもこのフライヤーを上手に使ってくれました。

今年は会場に居るおんちゃん、おばちゃんの写真が随所に。
あ、数年前に亡くなった長老の写真は捨てがたく、今回も起用(笑)
おんちゃんの仕事する姿に若い人惚れましたねん。
で、おんちゃんも数日のイベントで若返りましたねん。
おんちゃん、今年も出てるよ〜。
ちなみに伴侶のおばちゃんは現役で全ての作業に出てくれてます。リスペクト!
そして、昨年へぐりに体験に来てくれた「クッキーメロンパン」が当日販売にも来てくれます。
蒸し剥ぎの窯場の早朝居ると、中村で仕事の際に国道からおやつ差し入れしてくれたフッキーさん。
誰もまだ来てなくて、七輪で入れたお茶に浸して食べたラスクの味は格別。
今年はメロンパンで子供達に!
こういうの凄く嬉しいです。
あ、へぐりの時の差し入れの純米酒は一瞬で消化(笑)一緒に呑みたいね〜。

で・・・
町の広報でも「若山楮の後継者」と宣言した番頭は裏の白黒に。
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フリーだった昨年は家に寝泊まりして早朝から叩き起こされての収穫作業でした。
今年は町の地域起こし協力隊として頑張ってます。
この番頭がやっている「へぐり」がここ数年何故か人気でして。
今年の収穫作業の「裏版」にへぐり体験もご用意しました。
蒸し剥ぎより更にはまること請け合いですが、厳しいですぞ。

今日も色々とお手数かけてる役場の担当の方が「一昨年、蒸し剥ぎまではやったんだけど、その後をやってない」と。これ、個人的に気になってる様子。
気になるね(笑)
畑から刈り取って来て、おもろいように剥いだあと、どうするの?これがどうやって1枚の紙になるの?

これはどこから、どういう「手」経てこうなってるの?
これが凄く大事だと思うのは便利になる世の中と正比例してる私です。
学校ではなんちゃ教えてくれないから。
其の点お膝元の拳ノ川小学校の子供達は恵まれてるなあ。
結構みんなハマってる。
一年間全部やってるからだと思う。
コレハ、ドコカラキテ、ドウヤッテ、コウナル?
これが大事。

「体験」や「ワークショップ」で「やり方」を知れるだけでも貴重なんだけど・・・。
そもそもの、収穫して加工作業となる「紙の素」には実に多くの「手」が介在してる。
その現場の空気感こそが今求められてるって思う。
自分もずっと一人ないし、手伝ってくれる友人達だけでやってきたので、この若山楮になってからのカオス感はたまらない。もう独りでやる気にならんです。
大所帯でひとつの目標に動くのは実に大変でひと言では言えないこと仰山だけど
毎年やるから少しづつ変化して行く。これがたまらない(笑)
私自身も随分育てられて丸くなりました!

15年くらい前までは今の集落の下の川で楮を洗ってると、おばちゃん達が野菜を洗いにきたり
洗濯物洗いに来て、色々と話したもんです。
「こんなことが面白いかえ?都会から来たからなんじゃろね。自分らの子供らは、帰ってこんよ。あ、流れたで!」

お年寄り達は「こんなこと面白くもなんともないんだね」と味噌にする大豆を洗ってたりする。
今は誰も来なくなった川の洗い場・・・寂しいね。



たった数日だけど、こんなことが面白いか?これはこうやってやればええんだ!
毎年ドラマ満載です。
スタッフのおばちゃんが来て言います。
「中嶋さん、この子に賃金払わないといかんで!」見ると学校上がる前の女の子です。
朝からずっとハマって剥いでたそうです。
この場所でやる最期の年。
いやもう、ようやったとしか言えませんが、ここで事故も火事もなく9年やらせて貰えた事に感謝です。
新しい場所で餅投げするより、ここでの最期に餅投げたい私です。
実に多くの方々にご迷惑もかけながらやってきました。
新しい場所、若い人へかろうじて繋ぐこともできそうです。

是非、お越し下さい。
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紙干しの日

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夏に戻ったかの様なこの数日。
今年は本当に湿度が高い。
今朝はやっと秋に戻った。
暗く閉じてた海側の空が開いて山に朝日があたり出して
こんな海に近いここでも朝靄がうっすらと。
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今日は最高な紙干し日和となりそうです。
身体の産毛で湿度わかってしまう身体になって久しい私。
お天道さん頼みの多い紙漉工程でも最大級の「晴れてくれっ!」の祈りを捧げるのが紙干し作業。
今、圧搾中。
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昨夜からじんわり、じんわりとジャッキで絞ってます。
この圧搾台は友人の作。ただの鉄色では面白く無いし、錆び止め必要で自分でペイント。
しっかりお日様、裏にはラーの目入れてあります(笑)
親方の圧搾台はスイッチ入れるとジャッキがゆっくり回って絞めて行くので便利。
早朝にセッティングして、絞ってる間にご飯食べられる。
ただし・・・タイマーなんかついてないので、やっぱり様子見に時々行かないと・・・。
「うっかりして、紙床折れたこともある」と親方笑ってた。
職人さんが出て来る8時には絞り終わって紙干場へ運ばれてるから・・朝何時に起きてたんだろうねえ。
住居と工房が隣接しててほしい理由はこういう所にある。
私も寝る前に何度か絞りに工房へ入るし「夜中にトイレに起きたらついでに絞ったら朝が楽なんだけど」と
毎度本気で思う。
私のは手動なので5分おきにレバーをせっせとしないといかん。
なので、珍しくカメラ持ってウロウロしてます。
あともう一回やったら、お散歩行こうな長太どん
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2016年10月18日

若山楮のロゴマーク

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若山楮のロゴマークが出来上がって来ました。
黒潮町に8年前だったかな?移住して来た友達に作って貰いました。
作業にも来てもらっていたので、「作って!」とだけ。
優しい手書きの字と山の両側にはお月さんとお日様。
若山楮の特徴的な葉っぱです。

今年末のフライヤーも注文中で、このデザインも昨年に続き彼女にお願いしました。
一時期は田んぼも一緒にやってたり、田舎暮らしの面白さをどんどんやるパワーに良い刺激も貰ってた。
町のマーケットのフライヤーもロゴも彼女。
ありがとう、彩乃ちゃん。

こうやってロゴマークが決まる所まで来たんだなあと9年目の若山楮。
とにかく、とにかく、畑!畑!
とにかく、とにかく、知ってもらう!
とにかく、とにかく、売る!
気がついたら9年も経ってるのには唖然としてます。
自分のやる気が失せたら終わりというのを、ヒシヒシと感じながらも、ここまでになったんは・・・。
やっぱり年々関わって来てくれる人が増えた事。
「なんだかよう判らんが、面白い!」と町の行政がずっとテコ入れ続けて来た事。
めげそうになった時は、普段見えてなかったバックボーンの皆様が尻叩いてくれたこと。

このロゴマークで気持ちも新たに始まります。

私的には紙漉きというカテゴリーを越えて「手仕事、野良仕事での喜びを分かち合う」場所にしていきたいのです
どんどん失われて行く一方で人の中にある「手」ということ。
これは絶対になくならない。
実は沢山のデザインの中に「手の絵」が入ってたんです。絞り込む上で凄く悩んだ。
だけど、「手」は皆にある。ストーリーには絶対手が必要不可欠。
その手のこと考えると「あの手もこの手も」となる。
この「手」を一緒に作ることで共有したいから、あえて「手」のないデザイン。

そして、何でもコントロールできると思ってる人の勘違い。
お日様、お月様、雨風、協働する仲間、家族。
そういうのがなければなし得ないことへ今再びと想うから、このロゴマーク大好きです。
なかなか、ネットで発信出来る体制まで行けてないので、暫くはハレハレ本舗経由。
これもいつかは!って思ってます。
どこかで見かけたら宜しくです。
愛されるロゴにするには、これからの自分達次第です。
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2016年10月16日

原料の大掃除始まった

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長年溜め込んで来た原料を全部紙にする!というのが始まってます。
自分の原料もかなり溜め込んでて、年々良い原料になるにつれ後回しになってる山!
写真を整理するのと似てて、「あ、これあそこで採って苦労した奴や」とか束になってるのに記憶はしっかり残ってて、いやほんとかなり、やばい作業始めてます。
それに比べれば若山楮はたかだか9年なんだけど・・・
関わってる人の多さから、走馬灯の様に皆のことが思い出されて膨大!
毎度長いですが、毎日感動、感謝なんで(笑)
そして、楮栽培、加工、紙漉に携わってる皆にヒントあれば。

今日は「待ち」の多い工程の日。
釜で煮てるのは若山楮最初の年に初めてへぐって失敗したもの。
最初の年は自生してるのを伐採した1年目だけでは足りず。
目方を量るということもあって、年間の草刈りには興味なしだったのに、いざ収穫となったら、あちこちから見つけて来て
「どうだ!太いだろう!目方あるで!」と持ち込む持ち込む。
これ自分達のエリアにどんだけ楮が生えてるかを判ってくれたとも言える。

5年とか経過してそうな楮ばかり。
「あ、いや〜それは紙にするん大変やのに」と言いかけても
自慢げにトラックから運ぶ皆の士気をくじくことになるなあと。

案の定。
へぐり始まったら・・・「へぐれん!水に浸ける時間もっとかけなきゃいかんろ!熱湯かけてみたらどうや?!」となった。
あるおばちゃんが「なんで中嶋さんの原料はおもろいようにスルッとへぐれてこんなに白いの?」と聞いて来た。
やった!それに気がついてくれたか!
「一年ものでないと、こうならんのよ、皆が採って来たのは5年以上経ってるから太いけど、白皮にはならんのよ」
「そっかあ」おばちゃんは此の時点で「気がついた」
だが・・・
男衆は3年目まで刈り取りの日は一目散に山や河原へ走り
得意満面で「太い」のを持ち込む。
これは、山菜とかそういう発想で、それだけそこら中にあるということに気がついたわけで。
そして「目方あってなんぼ」というDNAの凄さをマザマザと見せてもくれたわけで。
質の善し悪しより「目方」。
昔は目方誤摩化すのに、束の中へ石入れたという話はあちこちで聞くのである。
だから太い=目方=お金という図式。
もう全部やけ!とか当然入ってて。紙漉は泣くのである(笑)

へぐることなく、剥いだ皮で出荷するということは
自分達の作ってる楮の「状態」を知る事無く済んでしまう。
後は野となれ山となれ。これ絶対おかしいのだよ?って思ってた私。
互いに、ここの農家のはあかんとかとかそんな話ばかりで風通し悪いなあって。

だから、私は若山楮をへぐって白皮にまですることを続けて来た。
自分達がへぐるもんだから、へぐりやすい楮というのはどういうもんなんか?を知らないといかん。
仕事に誇り持てなかったら、ただでさえ一次産業って衰退してるのでお金に成らんという発想が蔓延してる。
せめて自分達のは日本一だよ!紙漉さんが喜んで使ってくれる!という「誇り」だけでも得ようと。

4年目気がついたおばちゃんが、意気揚々と野生の太いの採って来た人に・・・。
「それ、へぐれんで!」と言った瞬間を一生忘れない(笑)
これは真夏の暑い日に草刈りする自分にも突き刺さった。
あ、蔓が巻き付いて傷になると、おばちゃん「嫌やもうこれ!」って捨てるなあって。
だから、おばちゃんが鼻歌混じりにへぐれる様にがんばるということになる。
良い仕事、誤摩化しない人の為に畑での作業も変化して行く。
以前スタッフがこれやり過ぎて(笑)365日楮オンリーとなった。
これはこれで・・・採算採れへん。
だけど、おばちゃんは「今年のは凄いでね!やけが1本もないっ!」って。。
ああ・・・。最上というのは・・採算採れん(笑)
タイミング、タイミングとずっと暗中模索だな私。

おばちゃんは蒸し剥ぎの時点で、やけだらけの皮も触って判ると捨てるのである。
つまりその後の自分が苦労するから(笑)
このおばちゃんにとある原料商から試しに六分へぐりの仕事やってもらったら・・・。
「中嶋さん、ヤケ凄くてあれいかんけど、出来高じゃから悩んだ。
もうやりとうない」というキッパリ宣言。

今日そういう「へぐれんかった」塵あり、ヤケ満載の9年前の原料を煮てる。
赤筋入りとでも呼べそうな紙になる。
この9年で育てる事の大事さ、あらゆる天敵の影響、そういう一年を経て得た原料を丁寧に加工するという所までになった若山楮。
出来高じゃなくて、お互いのリスペクトだと思うのです。
勿論このリスペクトに対しての賃金のこと必死になって捻出してきてる。
ボランティアじゃないのでね。

いやはや、へぐれなかったこの楮は簡単にも煮えないわ。
だけど、この野性味が実は好きだったりもする。
今、煮直し中。
今年のへぐり体験で、9年前の紙と昨年の若山楮の紙を
皆に見てもらおうと思う。
一瞬の瞬きな9年間だったけど、これは紙漉の私のお役目だな。
そんなこと思いながらの煮熟作業です。
少しでも良い紙にしたいし、使える紙にします。

やけをどんどん捨てて、少しのやけも取り去るおばちゃん。
大所帯でやってると、おばちゃんみたいにやる人もいれば
まあええかっ!な人もいる。
全体のモチベーションをあげるには、その場でいちいち言うより
結果見せる方が大事。
此の仕事が面白く、皆と一緒に続けたいと思う人達が残って行く。
おばちゃんは知ってか知らずか?
作業場のモチベーションを上げる陽気な人。
彼女抜きでは仕事始まらないって皆判ってる。
私?私は雑用係です。段取り組んだら皆が一番やりたがらないポジションをやります。
で、どんな工程でも楽しいのよ、嫌なことって実はないのよとやってるんで。。。
どんどん人がやってくれるんで、掃除係しか残らなくなって行くかなあ。
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2016年10月15日

今年の楮畑の草刈り終了

若山楮の今年の草刈りは終了しました。
畑作業は、このあと今年お初の事はやるけど、鹿やイノシシの被害もなく、台風の被害も奇跡的になく、毛虫被害も最小限度に。
最高の原料作ろうと思ったら・・・。
畑の中に住むしか無いね(笑)
この3年間、ほぼ一人でやってきて、5反の維持の大変さ骨身に沁み込んでいたので、町暮らしで初めての草刈り機を半年でマスターした番頭の御陰です。
こんな金にもならんし、ずっと付き合って来てくれた長老達も来てくれなくなってて心細くも一人でやるしかないのか?って思ってた今年、いやもう。金の草鞋履いててでもな番頭!
草刈りという肉体労働よりも現場を共有できること。
相談相手が要るということほど心強い事はないですね。
賃金払えないよ?ろくに。とか一杯今までのやり方ではダメだった、人が育たなかった、人が残らなかったというのを
全面に出しても「大丈夫です〜」という番頭を俄には信じられない自分が居た。
が・・・本当にこの半年仕事の休みを使っての初めての野良で、ふわ〜っと軽く消化してるから驚き。
好きな事をやることってこういうことなんかなあ・・・。

他にも若山楮にはかなりコアな若い人達が町外、県外から関わってくれてて、町から一歩も出ないのに(笑)
楮の情報一杯です。
番頭始め、みんな「楮」に引き寄せられてハマり所のツボが同じかも。
引き寄せて釣り上げてるのは私ではなく楮なんだとホントに思うのであります。

最期の草刈りで思った事。
昨年、鉄柵が台風で決壊したところから、イノシシ&鹿の被害にあった畑の楮。
移植ではなく、自生地をキープしてたのですが。
昨年、10月の時点で3回位の食害だったもんで。
それでも必死に出てた楮。
10月の草刈りで「これは今年は使えないだろう?!」と一斉に刈り飛ばしてしまったんですね。
人間の都合です。
これを楮の気持ちになって解釈すると。。。
鹿だろうがイノシシだろうが、そして人間だろうが・・・。
喰われるのと刈り飛ばされる事は同じなんだね。
楮殺すには鹿に3度喰わすこと。って聞いた事あります。
それでも梅雨明けに頑張って生きてる証しを見せてくれてたに。
「ロクに採れない」として10月に刈り飛ばした私達。
鹿と同じ事を人間が「4度目」にやったんだと今日思いました。

自生楮で優秀だった畑が、今年は当時までに復活しなかった。
トラウマというか・・・。
いろんな天敵にもめげず、夏以降も頑張って伸びた楮は
冬の収穫時まで残す様に。
たとえ、それが細く短くも、他の楮達と同じ様に扱う事。
自然農で自生楮でやるからには、人間の欲は脇へ置かなきゃいかん
来年の芽吹きの為に、膝丈までに必死に出た楮達を今年は刈り飛ばす事無く全部残しました。
そういう気持ちも番頭は判ってるし、無言で大して指示せずとも小指程の楮も残します。
移植した株もやはり今年成果を上げたのは半分。
でも頑張って「生きてるよ!」の楮の声。
3年後には紙になる株になると思う。
気が遠くなりそうなことだけど、3年ってあっと言う時間。

つい昨日まで扇風機ガンガンで水被っての野良。
今日はヤッケ着てますもん。
一年に一度しかない収穫作物で紙漉く私達は、地面見てたら時間の感覚なんか、あっちゅうまで。
ついこの間の暑すぎる、くたばりそうな湿度なんか・・遠い記憶になってます。
これをして「今、ここ」なんだろうなあ。

しかも紙漉き始まってるので、もう毎日が、お天道さん頼み。
明日は雨予報。
やること満載で雨なら雨のシフトです。
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2016年10月10日

楮畑の秋

毎度この時期の楮畑の草刈りは、こんなことやってる所普通の農家ではないねと思う。
道を刈る、家の周囲、田んぼの畦や斜面。
畑でも畝の間だし。
つまり「草刈り機の正しい使い方は振ってなんぼ!」
振ったら楮刈り飛ばすねん!
なので、良く切れる刃大事、燃料は倍近く使う。
田んぼの中の草取りを自分の背丈の倍の森の中やってるようなもんが5反。

楮畑は大きくなった楮の中を潜り込んで5反全面を刈るのです。
ハンドル付きの機械だとややこしいし、そもそも1本仕様の機械でも
後ろが引っかかったりで、「振る」という動作は殆ど無い。
前後に入れたり出したり。
これを延々と5反の地面やります。
まあ、忍耐と集中力ね(笑)
そのうちだれて来て、大事な楮を刈り飛ばしてしまうと
頭の中に「があ〜〜〜〜ん」という吹き出しマーク出ます。
そりゃそうだ。

春から鉄柵補強してそれでも入ろうとするイノシシや鹿と知恵比べしながら、天敵毛虫見つけては潰してね、小指の爪程の芽吹きからやってきたのでね。
これ、毎年子供産んで育ててる様なお母さんの気持ちかなあ。
立派な楮の枝刈り飛ばしてしまうと、しばらく立ち直れません(笑)
それが3本位始まったら終了と決めてます。
時間じゃないの。
5時までとかをこの状態でやると10本くらいやらかすから。
番頭も今日は3本辺でモチベーション落ちて鎌取りに行った(笑)
でも優秀です。
今までのメンバーの中でこれだけの際刈りやる人居なかった。
町の広報に「若山楮の後継者として頑張ります」と載せちゃったのはホントだったのね。
いやもう、この世界に詳しい人でも俄には信じませんもん(爆)
紙漉の友人も「おっとお!!」って3歩くらい後退しましたもん。
いや、本気ですね。大事にしないと罰当たりますよ、私ら。

この潜り込み草刈りが嫌でココ3年縛り上げてきたんだけど。
潜るの大変でも縛らないから楮自らが足元の草を抑制してる。
毎年いろんなこと試して来たけど、縛った方が楽よという長年のアドバイスはもうやらないと決めた。
草刈り三倍大変だった3年間、縛らなければ株元草ない。
何より楮が伸び伸びとしてて美しいです。
他にも今日新たな発見もありました。
芽掻きのこと追いついてなかったら、楮自ら回答くれましたのん。あり得んけどホンマ。芽掻き要らんよ。

私は15年前までの7年間は山にある自生楮を採って来て漉いてました。
なので、単一作物として元田んぼだった耕作放棄地での「栽培」は結構苦労してます。
一方で、そこら中に楮がある高知西南。
自分の楮畑を鹿に全滅されてから、また山取りです。

鹿の害もないし、こっちの方が楽かもとか思ったり。
私を知ってる人の畑の際に楮だけ残して草刈りしてる人も出て来たり。

あと一日で今期の草刈り終わりそう。
番頭はそこらのおっちゃんと同じ様に草刈り機扱い始めた。
ああ、さすが男の子やな。

一方で夏に来た、さくらちゃん。
楮の品種の違いにアンテナ全開でそこら中を採取しまくった。
そのお供で一緒した、みんながそこら中に楮あることに気がついて
運転してても目利きになってきて、いろんな報告が入る(笑)
野山にこんなにあったがか!!って。
これ、私の原点と同じ事しよるの、おかしい〜。

私は紙だけど、衣食住全てが足元にあって、それで暮らせるんだよね
長年やってるけど、ぐるりとひとまわりして・・・。
基本に戻って来た感じ。
ええ感じ。
類は友を呼べば、どうなっていくんだろう・・・。

とにかく、自分の中に抗えないくらいの塊がきたら
まず、自分がやることで、発信なんかしなくても同類は集まって来る
この夏のさくらちゃんの動きが、少なくとも3人の男衆に影響及ぼしてるの見て、嬉しかった。
懐かしい感情が蘇って来た。
時代がどうなっていけども、人の喜びの根源は同じ。
私の場合、紙を漉く事はそこに繋がってるんだと今日も確認。
山を介した里の恵み。
今一度そこからもう一度見るといろんなこと見えて来て、あとは人の中に眠ってる細胞が教えてくれる。
畑や山に行くとそういうことに気がつくし、はっとさせられる。
工房に入って漉く仕事や紙を加工する時にも、このエッセンスがあるのとないのでは
私の場合全然違って来るんだろうなあ。
歳取って(いや実際、昨年はできたことが今年は人の手借りないと無理が一杯)楮の現場に入れなくなる日は近い
野山で採りまくった10年はこの後来るとは思えない。
それでも元気なうちは、このエッセンス毎年欲しいなあってつくづく思った。
仕事を続けられる身体をキープしたい。

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2016年10月05日

ネット不通3週間

超がつくお久しぶりです。
8年間快調だったパソコンが、たった1個のキーボードが作動しなくなって修理入り。
やたらと時間かかったのは、あちこちがかなりやばかったそうでした。
バックアップ取ってないし(度々壊滅的な故障で泣いてたのに)
そろそろ、やばいよという直感来てたので、壊滅前の信号だったと思います。
ほぼ新品になって戻って来たMac。大事にするよ。

さて、今回は写真無いです(笑)
ブログもFBもできない私の携帯はガラケーのみ。
みんなみたいにチャカチャカと写真撮りません。
わざわざカメラで撮るという行為は、昔人間の私には未だに馴染めないの。
美味しいもんとか、そういうの撮る気にならないので、ネット無しの3週間はカメラが鞄の底に沈殿。
じゃあ、何も事件が無かったかというと、事件は日々勃発でシャッターチャンスは仰山あった。
その現場で(笑)これは撮らんとあかんろ〜と言う声が最初はしてたのですが・・・。
そもそも日常はドラマの連続で、いちいち撮ってたら大変だよなって。
だって、それを見せるツールがないんだもの。
元々あまり写真をアップせず、文章のみの私は、このこと考えたのね。
文章だって、家族が居れば大概の事は話してしまえば、わざわざアップすることもない。
実際、友達と逢ってる時はアップが少ないです。
独りのとき、頭を整理する為に「書く」ということは小学生くらいから続いてるので、それを不特定多数の人が見るネットでも書く様になって、愚痴や悪態が減りました(笑)
これは自分にとって良い効果を生んでて、「引き寄せの法則」に則ったら、書く事で快適な事象が引き寄せられてきます。

ということで、改めて書く行為について整理がつきました。
ありがとう!です。
紙漉や一風変わった暮らし向きなどを通して、共有できること増えていくと良いなと思います。
なんで?紙漉してるのかな?ということも今回かなり考えました。
いやもう色々あったんですが、アップ出来ずに毎日消化していく中で嫌でも自問自答しました。
今まで長いスタンスで自分の仕事について考えてなかったのですが・・・。
しかも、この頃少し飽きてるので、これは更年期障害なのか燃え尽き症候群なのか?と不安にもなりました。
だけど先に伸びてる筈の糸をたぐる時間ができて、やっぱりその先には紙ありきが見えた。
まだまだ未熟者で学ぶ事の多さにも気がついて腰抜かしてます。

これからもどうぞよろしくお願いしますね。

で、今年は台風かなりかわしてる高知。
今現在のところ過去最高の若山楮になってます。
秋の草刈りが始まってますので、また写真アップしますね(笑)
年末の蒸し剥ぎ&へぐりイベントもほぼ内定してきました。
来年の年末収穫は新しい作業場になるべく目下沢山の方々を振り回して進んでます。
もう、ほんとに有り難いです。
今年の蒸し剥ぎに来たら、新しいみんなの次の作業場の骨格もお見せできるかと。
パソコン復活したし、あとは収穫までの一直線です、お楽しみに!
posted by ハレハレ本舗 at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記