紙漉も落ち着かない合間を縫ってやってます。
3年振りに藍染めの小判。
小判は毎年暦の為に漉くので、なんだかんだで2千枚は漉いている。
A3サイズより少し大きめの耳付き。
若山楮を抱え始めた頃から、この小判で7枚綴りで手書きを始めた。
年々漉く時間がなくなってきてて、楮栽培に持ってかれてるこの頃。
お客様の「出来た時でええよ」という寛大な注文も後回しになってるここ数年。
新しい工房できましたからね!
もう本気で漉かないとまずいんですね!
私、楮農家ちゃいますねんね!
だけど、原料のことで10年近く学んだ事は大事で、それをしての紙漉きせんとね。
漉く時に少し多めに漉いて暦に使った後は「在庫してます」という・・いわゆる暦がサンプルとなる案配。
近くの山や川縁で採取した植物で漉くのは本当に淡い色。
布のように金属媒染すると、その金属が紙の中に残ります。
金属が経年劣化する御法度の紙。
布のように糸のように洗うということができない。
一発で染めて、しかも水の中で漉くので・・・。
塗れてるうちはかなり濃く染まってる様に見えて。。。
これも布や糸と違うのは・・・思いっきりお日様にて板干しするので(笑)
ここんとこ久し振りに漉いてる藍染めは、良く調べて買ってる藍液ですが。
漉いてる時は、深く沈殿して行く様な濃い色で。
漉き舟の中は紺碧の海みたいで。
これだけ蒼いんだけど、仕上がったら浅葱色に近いと思う。
ここんとこ「藍染め」ないんですか?のお客様が多くて(笑)
いや、ほんと、ちゃんとした藍染めやるなら藍を育てて自分で建てないとって思う。
色ってなんだろう?
良く染めるには実は雑味のない極上の「白皮」。
が。。。
この白皮加工の大変さを経て、それでも水質で変わる染め具合で。。。
こんなに手をかけて「白く」したのへ「色」を吸わせるときの・・・あれ〜!!みたいな(笑)
家は井戸水で硬水でアルカリが強くて、櫻染めもくすんだ色になるのです。
今度の工房の山水の水質調べないとな。
調べて、あれ〜っとなってもそれでやっていくしかないんだけど(笑)
弁柄染めで良く染まる(見本の布の半分以下になるのが紙なので引き算で)
濃くて発色が良い紙から売れて行く。
食べる事もなるべく足下って思うので、染料もなるべく身土不二なんだけど。
買ってる濃い色が受ける事を今日は考え考え漉いてた。
淡い色はだめなんだろうか?
自分の技術が足りないからなんだろうか?
ここらには、腐るほどの臭木があるのにねとか。
臭木の実で蒼出せるけど。。。とか。
布相手の染織家に聞いても紙への応用は限りなく薄い(笑)
売れる物を創ることと、自分のこだわりの境界線を今日は凄く感じながら漉いてました。
朝からかなりの垂直の雨。
マイナスイオンたっぷりだと思考は前向きに、しかも妙にハイテンションにはならず中庸的に。
夕方・・・。
ま、今日はここまで。
小判は慣れて来てるので、大きい紙に比べると「考え事」ができます。
染めの事、原料の事、工房の引越の事、これからのこと・・・。
一定のリズムキープが大事な紙漉きならではの思考とのやりとり。
雨だったからね、できたとも言える1日でした。
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