今日も写真ないです。
スマホなんか使ってないしで一歩家を出たらアナログ環境。
昨春農地を返さないとあかんなって、若山楮の一番古い自生地畑の鉄柵を撤去した(メンバーにやってもらった)
その後すぐに平地の畑に苦労して移植した楮6年目をユンボで掘り返して、できるだけ畑へ移植した。
これらは、元々はハレハレの畑から来た子達なので、元気な株は18年目。
ダメになったのもあるけど楮は逞しく8割は新しい畑で根を張りました。
返してくれという地主さんが
「楮は一度植えるとはびこって元に戻せなくなる!」って怒ってたんだけど。
既に鹿の食害が始まってるんで。
「大丈夫鉄柵外したら、鹿が綺麗に根絶してくれるから!」と言った。
実際、掘りそびれた株は次々を鹿に食われてダメになっていく。
楽と言えば楽なんだけど、心中複雑とはまさにこのこと。
見事やなと感心してたら。。。
昨年の6月頃から、返さなくて良い一番古い斜面の楮まで食い始めた。
鹿の被害は春の芽吹き(うさぎもある)次に6月、それでも芽を出し伸びようとしてる9月の3回。
ある意味若山楮のシンボルでもある、自生地だけはなんとか守りたい。
なので、本日鉄柵作業。
ここ5年間ずっとやってて、もういい加減終りにしたい、どかちん作業です。
番頭おらんかったら、投げ出してたとも言える作業。
で。。。
川向かいの畑で今年から自生楮を「育てて売ってくれる」栽培者2号のおんちゃんが居る。
何やら杭が沢山打ってあるので番頭に通訳頼んだ。
「それは楮ですか?」
「これは花です」
「楮はどうですか?」
「40株ほどありますよ」
「今年は芽吹きが遅いですが?」
「2年以上のもんは花が咲き出しましたね、伐ったのは2週間程遅いですね」
うわわ〜かなりの観察力です。
植物、樹が好きなのが伝わってきます。
最後のやりとりが良かった。
「可愛がって育てますよ〜」と川岸から。
今日も「続けてれば良い事あるさあ」でした。
お昼の弁当は山からせり出してる楮の大木の下で。
櫻の花見もええけど、楮の花見もええですねと。
楮が好きな人は、どんだけ優しい人が多いんだろう・・・。
2017年04月23日
2017年04月22日
良い事あるさあ!
毎年、毎年、ほんとにもうゲップが出るくらい
楮にはじまり楮におわる生活。
FBや自分のブログを見てても、殆ど4月の今頃に今年の楮畑が始まりました!とある。
人工的なミニチュア植物をテラリウムに植え込む仕事は長かったけど、草抜きひとつやったことのない都会者。
高知へ来て畑にはまり、草刈りにハマって、何時の時期に何をするのか?を3年日記帳につけ始めた。
櫻が咲いたら種蒔き準備。
彼岸花が咲いたら秋蒔きの準備。
近所の人が干し大根吊るし始めたら、そろそろ楮。
そんな風にメモしないと季節の追っかけができなかった。
日記帳は6年続けてたが、いつの間にか身体に沁み込み始めたので辞めた。
田んぼを手習いしだしてからは日記をつけるどころじゃなくなった。。。
毎年楮が芽吹く前に草刈りしようとしても追いつかない。
枯れてる様に見える株は、南国のここらでは既に草の中になってる。
草を刈れば、ホントに赤ちゃんの小ちゃい手みたいな葉っぱを拡げて出揃ってるのを見て毎年感動してた。
刈り飛ばさないように慎重に。
畑で「栽培」するようになって17年目。
最近は感動のメーターもさほど上がらなくなって来た。
ある意味当たり前になってしまってる。
芽吹いて来る事が判ってるからだ。
最初の頃は「出てくれよ〜」と祈る様な気持ちだったのにね。
今年は寒い。
草の勢いも待っててくれてる。
今日から草刈り。
「ああ、まだ出てないですよ〜良かった!」と安心して刈り始める。。。
番頭は手鎌で丁寧に。
私は草刈り機で。
サクッと株を見ると。。
「おお〜い!出てるぞ!要注意だなあ、やっぱり!」と番頭を呼ぶ。
今朝は雨が降ってた。
小指の爪の半分程でまだ閉じている様は産まれたての赤ちゃんが小さい手を握って丸まってる様で。。
多分、いや絶対、この芽は今朝の雨を受けてさっきでたばかりだよ?!
長年やってるけど、こんなタイミングは初めて。
まるで芽吹く音まで聞こえてるかのよう。。。
帰りの車中。
「いや〜良かった良かった!良いもん見れました〜」と2人してはしゃいでる(笑)
まるで赤ちゃんが生まれる瞬間に立ち会ったかのような感動!
種を蒔いて作る作物と決定的に違うのが。。
「楮の気持ち次第で人ができることは、ほんの僅かである、じっと芽吹くのを待ち、してほしいという声を聞く」
自分達が作るのではなく、楮に育てられてるのは私達の方だ。
やっぱり畑は愉しい、良い事は畑にある!
楮にはじまり楮におわる生活。
FBや自分のブログを見てても、殆ど4月の今頃に今年の楮畑が始まりました!とある。
人工的なミニチュア植物をテラリウムに植え込む仕事は長かったけど、草抜きひとつやったことのない都会者。
高知へ来て畑にはまり、草刈りにハマって、何時の時期に何をするのか?を3年日記帳につけ始めた。
櫻が咲いたら種蒔き準備。
彼岸花が咲いたら秋蒔きの準備。
近所の人が干し大根吊るし始めたら、そろそろ楮。
そんな風にメモしないと季節の追っかけができなかった。
日記帳は6年続けてたが、いつの間にか身体に沁み込み始めたので辞めた。
田んぼを手習いしだしてからは日記をつけるどころじゃなくなった。。。
毎年楮が芽吹く前に草刈りしようとしても追いつかない。
枯れてる様に見える株は、南国のここらでは既に草の中になってる。
草を刈れば、ホントに赤ちゃんの小ちゃい手みたいな葉っぱを拡げて出揃ってるのを見て毎年感動してた。
刈り飛ばさないように慎重に。
畑で「栽培」するようになって17年目。
最近は感動のメーターもさほど上がらなくなって来た。
ある意味当たり前になってしまってる。
芽吹いて来る事が判ってるからだ。
最初の頃は「出てくれよ〜」と祈る様な気持ちだったのにね。
今年は寒い。
草の勢いも待っててくれてる。
今日から草刈り。
「ああ、まだ出てないですよ〜良かった!」と安心して刈り始める。。。
番頭は手鎌で丁寧に。
私は草刈り機で。
サクッと株を見ると。。
「おお〜い!出てるぞ!要注意だなあ、やっぱり!」と番頭を呼ぶ。
今朝は雨が降ってた。
小指の爪の半分程でまだ閉じている様は産まれたての赤ちゃんが小さい手を握って丸まってる様で。。
多分、いや絶対、この芽は今朝の雨を受けてさっきでたばかりだよ?!
長年やってるけど、こんなタイミングは初めて。
まるで芽吹く音まで聞こえてるかのよう。。。
帰りの車中。
「いや〜良かった良かった!良いもん見れました〜」と2人してはしゃいでる(笑)
まるで赤ちゃんが生まれる瞬間に立ち会ったかのような感動!
種を蒔いて作る作物と決定的に違うのが。。
「楮の気持ち次第で人ができることは、ほんの僅かである、じっと芽吹くのを待ち、してほしいという声を聞く」
自分達が作るのではなく、楮に育てられてるのは私達の方だ。
やっぱり畑は愉しい、良い事は畑にある!
2017年04月20日
花冷え
晴天になれば日中の外は真夏日に近くなってきた。
しかし日本には美しい季節を表す言葉がある。
今年の櫻の開花は、なんだか、あっという間で愛でる暇がなかった。。。
特に山桜の満開のスローモーションが近くの山では殆ど無くて。
一瞬で咲いて散って、今は美しい新緑に。
山では藤が満開です。
この時期の寒暖差の激しい事。
強い風が吹くと一気に気温が下がる。
ここんとこやせ我慢して(薪使い切ってるし)寒いから夜はそそくさと早寝。
どうせ日中は新しい工房へ走ったりで家に居ないし、長太は「走る自分のベッド化」してる車から降りようとしないしで、ここんとこの移動生活でストーブの存在忘れてた。
今日は何が何でも紙加工の日。
どんより曇りで明日は雨。
晴耕雨読ならぬ、晴引越雨紙仕事な今月です。
さすがに家の中は寒くて鼻面が冷たくなって来たので薪ストーブ再稼働。
1日どこへも動かない珍しい日というのは、長太にとっては休日に等しい。
ストーブの横で手足延ばして長々寝そべる姿に、日頃の無理を申し訳なく思う。
長太はひたすら眠って定時に散歩行けよ!と促し、ご飯食べたらまた眠る1日。
私は紙の加工やPC仕事が捗ります。
久し振りのストーブは丸太入れて空気搾り切ってトロトロです。
やっぱり真冬じゃない、当たり前だけど。
仕事三昧なんで休日じゃないんだけど(笑)気分は、ここんとこの引越で落ち着かなかったから。
これから、手作り蒟蒻と鶏肉の煮物をストーブへ載っけて作業続行。
休日じゃないんだけど(しつこい笑)夕刻になってビールをば・・・。
溜まりに溜まってる屋内作業を今宵は存分に愉しむ。
長太にとっても善き一日でした。
2017年04月02日
新工房竃試運転
本日若山楮和紙工房の新しい竃に火を入れました。
道具をまだ運び込んでなくて、あれ〜あれは何処?!みたいなバタバタながら。。。
竃が無事使えるか?がやってみないと判らない。
これが無事でないと全てはオジャンとさえ思ってたので、しかも楮も三椏も蒸し剥ぎするには既に時期を過ぎてる
無理難題を承知の上でやらせてもらった。
4ヶ月前にはいつもの場所で大掛かりにやってたのを番頭と二人で。
可哀想に桶の上に被せるのも建築シート。
大所帯で大掛かりでイベントにまでして走り続けた若山楮蒸し剥ぎ。
それは、ひとえに金ないでもあった。
集落活動センターということで、泣いても笑っても今後こんなチャンスはない。
だけど、若山楮は儲からないし、今の時代はどんどん楮農家さんが高齢化して辞めて行く時代。
和紙の存在意義も本当にエッジを歩いてるのに。
うまく言えない。
関わってる大勢の色んな人がここまで創ってしまったとも言える「紙を創る工房」
今刈り取れるのは、そこらにのさばってる2年とか5年とかの楮。
固いし、整枝するの半端ない。
それを昼過ぎから突っ込んで4時間。
「蒸せてるかなあ、どうかなあ」と片手でウインチでカラカラと桶を上げる。
いつもなら「桶あげるでえ!男達来い!」と叫ばなくてはいかんかった。
まるで煮物の鍋の蓋を開けるみたいに桶を上げて。。。
夕方「蒸せてるかな?」と楮を抜いてみて。
まず私が剥ぐ。
次いで番頭にも1本。
まるで料理の味見と同じですねん。
「うわお!剥げます!ばっちりですよ〜!」と夕日に向かって剥いだ2本の皮。
「若山楮工房の最初の2本だああ!」
試運転無事完了しました!
お披露目とか餅投げとかは、これから協議して決めて告知します。
ここまでのあらゆる寸法や動線や、ひいてはここで何ができるのか?自分はどうしたのだ?という諸々。
これらが一気に吹き飛びまして、竃の前にへばりついて火力強くて。。。
睫毛と前髪と眉毛が焦げましたが、頭の中にスペースが生まれ、持ち前のチカラがごこからともなく沸いて来た。
数日前は正直もうダメかなって訳も無く思ってたのが嘘のようです。
明日明後日、剥いでます。
もう中毒ですね、蒸し剥ぎ。
やはり紙を漉くことの始まりの始まりはここにあり。
左官屋の棟梁は「まだ改善の余地あり」と今日判断して明日また来てくれます。
メンバーの元さんも「改良の余地あり」と午前中付き合って帰られました。
井上鉄工の薪ストーブもこの2日火入れしました。
煙突から煙の出る姿は出来上がった建物が生き始めてる感じ。
ストーブひとつ取っても焚き始めたら、薪の事考え始めるし楽しいこと満載。
工房が生き生きと動く始めることにワクワクしてくる。
実際この2年近くかかってるので、ワクワク感死滅してるんではないか?と不安だったけど。
そんな不安は吹き飛んだです。
改善、大事です。それこそが息を吹き込む事なんだと思う。
みんなの本領発揮です。
100%完璧なんか無理ですし、そうやって愛着持ってもらえたら有り難いです。
自分的には、こんな苦手な事ここまでやれてもう充分ですわ。
やり切ったんで次行きます。