2017年06月14日
普段
朝一で、まずはお掃除。
広いからやりがいあるなあ。
窓も多くて毎日1枚づつって最近はやってる。
7枚あるので、1週間で一巡り。
そして花を生け変える。
今、山は白い花が沢山。
そろそろ、オレンジ色が色々と咲き出す。
ノカンゾウ、オニユリ、モントブレチア・・・。
花に目が行く余裕がやっと戻って来た。
この花は山じゃなくて庭に咲くノウゼンカズラ。
掃除が終われば、長太は寝そべる。
コンクリートの床は冷たく、この頃はまだ肌寒い。
プチプチシートにシュラフに自分の座布団。
落ち着くみたいで、塵取りしてるとずっと寝てる。
さてお昼。
この間買った、竹細工さんの深めの籠は2段重ねのタイの弁当箱にばっちり。
枇杷をあちこちから貰う。
デザートもばっちり。
勿論長太のおやつも。
若山楮の仲間達の写真があるから、独りでここで仕事してても賑やか。
曇りで暗い夕方はちょっとだけ灯りをつけてみる。
一通り見渡して、ドアを閉める。
長太は伸びをして、散歩の時間だよ!と枝加えて待ってる。
普通というか。。。
普段というか。。。
どうぞ、この静かで穏やかな日々が続きます様に。
2017年06月11日
苧麻
繊維と聞いて今時の人は「食物繊維」をまず思い浮かべるんじゃないかな?と思う。
コンビニやスーパーでも「繊維たっぷり!」なもんが溢れてるからねえ。
さて、苧麻です。
別名からむし、ここらでは「ウラジロ」「ハド」など俗称が実に多い。
「ウラジロ」は見た目そのままで、葉っぱの裏側が白いから。
「ハド」は8回刈ってもまだ出て来るから。
そしてジツは楮の天敵でもあります。
苧麻が悪いのではなく、この葉っぱを食べて成長する「フクラスズメ」の毛虫が苧麻が足りないと楮の葉っぱへ移動して葉っぱを食べ尽して楮の生長を止めるからです。
楮と苧麻はセットというくらい同じ場所に居ますので、ある意味目の敵になってしまう。
紙漉でも楮農家でもない人は、楮ですら親の敵みたいに伐るけんど(笑)
できればこの苧麻を刈り飛ばした後、糸にできんかなあって毎年想うけど手が足りない。
高知へ来る前、西表の機織りさんの所でお世話になった時。
台風が来て船が出ず、やることなくて呑んだくれてると。。。近所の人が次々と苧麻の皮を持って来る。
「来たら最後全部処理するねんよ!」とその日から夜なべで外皮を・・・まさに「へぐる」作業が続きました。
その後の糸にする工程は見てなくて。。。
まさか自分がその後楮の「へぐり」に明け暮れるとは夢にも思わなかった。
今日裏の苧麻を刈り取って剥いでみました。
感じとしては今頃がリミットかなあ。
たった数本やっただけで指先真っ黒であります。灰汁が強くなってる。
苧麻織りで有名な産地では楮と同じ様に「芽掻き」をするそうです。
2年前、苧麻の糸作りのワークショップで矢谷さんが仰ってた。
「芽掻きしたり肥料入れたりするけど、見渡せば日本の田舎にはそこら中にあるのよね」と。
これは楮についても同じ事が言えるのではないか?とそのとき思った事でした。
少なくともここら辺は楮だらけですから。
ただし、7年間くらい山や河川敷で自生楮を採る事をしてて思った。
全ての地面には所有者がいて、憎い楮が居なくなったら、そこに田畑ができたり道ができて、毎年貰う事は不可能で、私は掃除屋なのか?と。
理由を話しても「金にならん」で一瞥されてしまう。
鉄柵も張らず、生き生きとした楮を自由に採取出来る環境はもうない。
苧麻も同じ運命なんだろうなあ。
今宵はこれを処理してみて、上手にできないかもしれんけど・・・。
今年の暦の軸の紐にしようと思ってる。
紙は紛れも無く植物の繊維で出来上がってます。
そのことを何時にも増してこの頃とても思う。
1本の苧麻から紙にもなれば、衣服にもなる。
刈り取った先の工程で枝分かれしていくのです。
食物繊維だけじゃないよ。
ダイエットだけじゃないよ。
では内職に戻ります。愉しいね。
2017年06月07日
高校生
今日は高校生。
ちょい遅刻しましたごめんなさい。
みんな待ってたですね。。。すまんです。
今月下旬に「紙漉き体験」に来る大方高校2年生のミッションを今年久し振りに受けてます。
地域の方々から「お題」を頂いて、それを発表できるまでにするという授業。
発表するチカラを養うらしい授業。
狭い教室を出ての活動が多いのも特徴。
他の「お題」に比べると若山楮は実に地味でして、毎回生徒達に採択されるのが不思議な位。
理由は判ります、紙を漉けるかも!!なんですね。
大人になると「発表」する場面は少なく売れた!とかそういうことになっていく。
そこへ辿り着くまでに、協議、会議、打ち合わせが殆どと言っても過言じゃない。
いつもだと、漉きたい一心でそういう打ち合わせ的なことがないまま進むミッション授業。
今日は目から鱗状態。
聞きたい事、提案、紙漉の段取りに至るまでの「たたき台」ができてた。
日頃会議や協議が多い集活の、特におばちゃん達に見せたい!!
しかも内容が。。。
昨日の午後、1回目の「会議」が終って決まった事がいくつかあって、そこら辺を今日質問されて。。。
サクサクと回答できたわけで、少々、いやかなり驚いてるよ私。
遅刻したのに15分とかからず終了。
いつもの地元の会議のみなさんに見せて上げたい(笑)
昨日の会議と見事にリンクしてます。
発表するチカラは、まさにそこへ至るこういう作業なくしては無い。
今年こそはトップになってほしいなあ。
2017年06月06日
楮のお勉強
今日は毎週の楮畑授業を教室で。
先生が新しくなったので、子供達に楮の事質問してもあやふやな返事しか来ないということで。
本日、勉強会。
楮取り組みの2代目の先生と、この授業が始まった年度とかを確認したらなんと7年目でした。
畑作業導入より先に卒業証書もやってるので、最初の子供達は既に中学3年生!
あ、いや〜いかんかった。
畑で頑張る3、4、5、6年生で、高知大学協働学部の大学生にも教えられる様になってたから。。。
なんで若山楮なの?
どうして始まったの?
楮の歴史って?
和紙って?
スタッフが常駐してた4年前はやってたんだなあ。
彼はかなり資料を調べて上手にレクチャーしてくれた。
本日、2、3時間目を使ってみっちりと(笑)
子供の居ない私は相変わらず大人目線でしか話せない。
あちこち脱線しまくる内容を先生が後で黒板に書き出して行きます。
素晴らしい。
「ええ?そんなこともしてたんですか?」と校長先生も驚く話などもありました。
何故若山楮なのか?
それは、換金作物が少なかった山間の貴重な、しかも冬の作物で、若山地区の人は手厚く育てて質の良い楮を作っていたから60年前までは有名だったのですと。
この10年取り組んでますが、実は若山地区の人は畑には入ってなくて
君達が唯一の地元の栽培者なんだよというと、少し嬉しそうでした。
なかなか鋭い質問も来て、うろ覚えな私はタジタジ。
書き取りしてるのを見ると漢字が一杯でして。。あいや〜今度はもっとちゃんとしよう!と思いました。
2017年06月02日
山水
光の具合が宜しく無くて、。。。
これは2等級の若山楮、塵あり、ヤケあり、甘皮残ってますので少し黒みかかってます。
昨日炊いてあった楮を灰汁抜きしました。
新しい工房は山から水を引いてます。
作ってもらった水槽はオーバーフローするように頼みました。
「こうこうこういう工程で、こうしたいから、ここをホレ」みたいな説明。
比較的若いタイル屋さんが「そっか、オーバーフローするんやなっ!」と淵に傾斜つけてくれて。。
高齢の左官屋棟梁が穴開けて。
最後に一番若い大工の棟梁が排水パイプを何気につけてくれた。
これを本日お初の「オーバーフロー」
私の今までの工房は井戸水でした。
井戸水というのはポンプアップで電気です。
調子こいて流しっぱなしにすれば呆気なく底尽きます。
何よりも気がかりなのは電気代!
そこが、ずっとしゃくにさわっていたわけです。
それに水換えは重労働だし。
お昼に煮上がった楮を水槽へ移して、トロトロと山水を出しっ放し。
つい頭の中は電気代!になるのが可笑しかった。
3時間位で、見事に晒し完了です。
流しっぱなしなので水はこの気温が上がってる今日でもキンキンに冷たい。
引き締まった楮に仕上がりました。
晒してる間に染めの染料は煮だせるし、漉く事もできるし。
ネットもまだ来てないので、仕事120%できる。
今までの仕事なんだったの?です(笑)
お昼に奥の林道散策。
長太大喜び、私興奮。
植生が面白いです。
漉き込む草花にことかかない。
定番のシダ群生地も見つけました。
何よりもこの10年一緒に楮をやってきた区長でもある元さんが夕方ふらっと立ち寄ってくれる。
「漉いてるのか〜」って。
色々話せるのが嬉しい。
まあ、心配してる、お前生活大丈夫かって。。。
直販所も立ち上がった北部。
ベースはできつつあると思う。