2017年09月24日
後継者
春の爪程の芽吹きから始まった楮畑の草刈り。
秋分を過ぎての今日、ひとまず機械で入るのは大体終了。
若山楮が立ち上がって開墾から今年10年目。
大きな問題もなく、きちんと手入れできたのは、おそらく今年が初めてじゃないか?と。
そして、スクスクと育ってる。
イノシシとの攻防に始まり、対戦相手に鹿が加わり、獣だけではなく、人間でも問題多発だったし。
毎年の台風で、あさはかなりにも、やれることやってみたし。
そのどれもが、孤独から来るあがきだったんかなあって今日思った。
勿論、大勢の方々に助けられてやってきた。
皆の期待が有る分のプレッシャーは半端無く、それを当然意識して「結果」を出さねば!とやってきた。
つまり、実際は孤独感満載だったんだな(笑)
基本は自分一人で、問題勃発したら応援を頼む。
スタッフが複数居ても、指示を出さねばならないし、目指す所が微妙に違うと伝えるのに何倍もエネルギーが
必要だし、短気な私はすぐ怒るから(笑)
昨年から「自称後継者」の番頭が畑に入って来た。
草刈り機デビューで、あ・・無理かもって正直思った(笑)
それが、この一年で見事な上達で、もう私が教えることなんかない。
というか・・・。
今年楮畑をほぼ番頭に丸投げしてて、なんら教えてないというのが現状。
今日彼岸花が畑に咲いてるのも、おそらく10年目にして初めて見た。
これは7月終わり頃にきちんと刈ってないと見られない。
この半年の番頭の草刈りが実に正しかった。
何よりも一度も畑で怒ったことがないというのが奇跡なんである。
どこへ行っても、誰に逢っても「若山楮の後継者として頑張ってます!」と平気で言う。
今春までは後継者と言われると、凄いプレッシャーだった。
若山楮を買ってくれてる友人の紙漉さんなんか「うわあ〜ほんま?」と5歩くらい後ずさりしたわ、がはは。
それでも、週末の土日を全部畑で草刈りして、周囲が「お前何してるねん?」と呆れてる。
当の本人は「楮の草刈りですっ!」と・・・。
台風後、畑へ一緒に入って作業して。
私と同じモチベーショーンで、「気持ち良く」何よりも楮の声を聞ける作業をしてきたことが一目瞭然。
私の為でもないということが、とても嬉しかった。
誰かの為にとか、そういうことは続かない。
この写真の畑は2年前に台風で決壊した鉄柵から鹿が入って、全滅の一歩手前まで行った自生畑。
その後、私也にも頑張ったけど、鹿にやられた楮達のトラウマがあって、再生しないかもと思ってた。
今日入って、勢いが戻って来てるのを見て。。。
楮の世話が楽しくて、過去の色々も知らずに番頭が通ったから、楮達に良いバイブレーションが肥料になってると
これはもう、間違いなくそのとおり。
私自身のバイブも反省だ。
自称後継者!として来た番頭は自ら後継者の道を作りつつある。
これも、それも、全部楮に導かれてるんだろうなあ。