2014年09月19日
真菰茶
真菰(まこも)ってご存知ですか?
イネ科の多年草の植物で、河原や湿原などに昔は沢山自生していたそうです。
汚れたり、富栄養化した水を浄化する力があります。
昔の日本人の「お歯黒」はこの実(マコモタケが完熟したもの)にある黒い粒々の「真菰菌」と呼ばれる物から得られる黒い染料だったとも言われていますし、漆工にも使われたと言われています。
ということは身体に良いという事を知っていたんですね。
昨今自生してるを見かけなくなったのは、やはり農薬が使われる様になったのと
川がコンクリートで固められてしまったからなんでしょう。。。
私はこれで紙を漉きたくて徳島の友人から分けて頂きました。
しかし。。。紙にするにはかなりの量が必要だし、難しい。。。かなり難しいこと3年。
それでも今年の暦の軸の紙になんとか漉いた。。。
染料としては優秀で写真のようにお茶でも黄金色です。
秋にマコモタケを食べられたらええわ〜くらいの気持ちで数年植えっぱなしでした。
田んぼの一角に草が凄いのと均一に水が溜まらないのに、ズブズブと膝まで埋ってしまう難所があり
ここへ「真菰でも植えたらええやん」と勧められて。
今年からは全部使い切りです。
葉っぱをお茶に。マコモタケ食べて、食べきれず完熟した実でお風呂に入れて半年、生き切った葉っ葉で黄金色を紙素に染める。こんだけ使いまくっても翌春に芽が出る!
もうなくてはならない作物であります。
ただし。。。これだけ排毒のチカラがあるということは真菰は汚染された水を浄化するので
除草剤や化学肥料を使えば全草に全て取り込みます。
草一つ生えてない真菰田んぼは。。。正直言ってあり得ないですから、そこら辺を気をつけて下さい。
真菰田んぼがある周辺の状態も気をつけたいと思います。
「ここで作らないか?」と言われる事が増えてきましたが。。。
上の田んぼが除草剤や化学肥料使ってるなら断っています。
私も僕も植えたい!の声が昨年から沢山あって、びっくり。
一度植えればさほど手入れしなくても毎年増えます。それも人気の一つだけど。。。
真菰はデドックス(排毒)作用が抜群なのだとは、後から知りました。
昨年、若杉おばあちゃんの講演会が地元黒潮町で有志達の頑張りで大盛況になりました。
その時にも真菰のチカラを沢山お話して頂き、それを聴いた地元の方からも「苗を分けて欲しい」と殺到。
耕作放棄地「田んぼ」がどんどん増えて、ぬかるんで畑にもできない所や、河川の荒廃したところにこそ真菰が育つと知って過疎のお年寄りばかりになっていく地域には救世主みたいな植物です。
植えれば、川の下流、田んぼならまだやってる下の田んぼへ行く水が綺麗に浄化される訳ですから。
これは6月頃の真菰。秋には人の背丈を越えます。
元々、手が回らない場所なので当然草がぼうぼう(笑)
だけど此処は昔は何処にでもあった「盆花」は群生するし、野甘草も群生するしの元田んぼ。
上にはもう辞めてしまってる田んぼだけで人家がなく、入って来る水は山の湧き水という贅沢さ。
なので敢えて草刈りは時々。一緒に植えた蓮根はかろうじて葉は出るけど花が咲かない。
蓮根は草とってなんぼなんだと、諦めた。(笑)無農薬蓮根が奇跡である事も身を以て判った。
一方の真菰はそんなのお構いなしにどんどんテリトリーを広げてて。。。
冬期湛水してる田んぼのあぜ道に進出した今年。。。今年は雨続きでずっとオーバーフローの田んぼ(笑)
「動いてる水が好き」なんじゃないかと思ったり。
皆が作りたがるもう一つの理由は成長の早さと美しさ。
苗を分けたいろんなお家で育ってる真菰。
田んぼが無くても玄関脇に鉢やバケツで育ててる人も。
なんか鑑賞するにも良いし、放ってるバイブレーションが「結界」作ってる感じ。
そういうのに敏感な人達は何も言わなくても育てたくなる(笑)
9月も終わりになると、葉っぱの根元に「マコモタケ」という実が育ち始める。
種ではないんですね。だけどここに大事な菌を沢山育てる。
これが始まると葉は一気に枯れて行きます。
まるで鮭とか昆虫のお産みたいです。母体のエネルギーが全部マコモタケへ行く。
だが、翌年また葉を出し、どんどん分蘗するチカラは根っこにあり、絶える事がない。
与えて、与えても自らのチカラで生命を循環させてるって凄いなあ。
なので青々した葉っぱにエネルギーが残ってるうちに刈り取り、屋内で乾燥。
細かくカットして、このあとセラミックの土鍋でじっくり煎ります。
煎り加減はお好みもあるでしょうから、軽めです。深いのをお好みなら呑む前に土鍋で更に煎ると美味しい。
飲み方は急須でも良いですが、チカラを得るにはヤカンや土鍋で20分程煮出すと更に良いです。
夏は冷やしても美味しいけど、私は煮出したのを一晩置いた常温のを頂きます。
そろそろ火鉢やストーブの時期。上に載せて美味しいお茶を毎日飲む事で排毒のチカラが自然に身に付く。
ハレハレの葉っぱのお茶は少しだけです。
50グラムで1500円。少々高いですが、完全に無農薬、無肥料、手作業での仕上げ。
殆どが友人達との物々交換に使いますので、残った分だけお売りします(笑)
来週からマコモタケフィーバー始まりそうです。これも物々交換作物。
採れ過ぎて友人とこへ配っても余ったら、道の駅ビオスに出しますわ。
日頃、米、野菜、薪を友人達から頂いてる私としては「ハレハレならではのお返ししたい」作物が真菰。
お互いに貰って嬉しい他の人が作ってないものをやりたかった。
百姓的な仕事の部分ってこれなんですね。
なんとか「夏の百姓仕事もする紙漉」を少し実現しつつあります。嬉しい。
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