2016年10月10日

楮畑の秋

毎度この時期の楮畑の草刈りは、こんなことやってる所普通の農家ではないねと思う。
道を刈る、家の周囲、田んぼの畦や斜面。
畑でも畝の間だし。
つまり「草刈り機の正しい使い方は振ってなんぼ!」
振ったら楮刈り飛ばすねん!
なので、良く切れる刃大事、燃料は倍近く使う。
田んぼの中の草取りを自分の背丈の倍の森の中やってるようなもんが5反。

楮畑は大きくなった楮の中を潜り込んで5反全面を刈るのです。
ハンドル付きの機械だとややこしいし、そもそも1本仕様の機械でも
後ろが引っかかったりで、「振る」という動作は殆ど無い。
前後に入れたり出したり。
これを延々と5反の地面やります。
まあ、忍耐と集中力ね(笑)
そのうちだれて来て、大事な楮を刈り飛ばしてしまうと
頭の中に「があ〜〜〜〜ん」という吹き出しマーク出ます。
そりゃそうだ。

春から鉄柵補強してそれでも入ろうとするイノシシや鹿と知恵比べしながら、天敵毛虫見つけては潰してね、小指の爪程の芽吹きからやってきたのでね。
これ、毎年子供産んで育ててる様なお母さんの気持ちかなあ。
立派な楮の枝刈り飛ばしてしまうと、しばらく立ち直れません(笑)
それが3本位始まったら終了と決めてます。
時間じゃないの。
5時までとかをこの状態でやると10本くらいやらかすから。
番頭も今日は3本辺でモチベーション落ちて鎌取りに行った(笑)
でも優秀です。
今までのメンバーの中でこれだけの際刈りやる人居なかった。
町の広報に「若山楮の後継者として頑張ります」と載せちゃったのはホントだったのね。
いやもう、この世界に詳しい人でも俄には信じませんもん(爆)
紙漉の友人も「おっとお!!」って3歩くらい後退しましたもん。
いや、本気ですね。大事にしないと罰当たりますよ、私ら。

この潜り込み草刈りが嫌でココ3年縛り上げてきたんだけど。
潜るの大変でも縛らないから楮自らが足元の草を抑制してる。
毎年いろんなこと試して来たけど、縛った方が楽よという長年のアドバイスはもうやらないと決めた。
草刈り三倍大変だった3年間、縛らなければ株元草ない。
何より楮が伸び伸びとしてて美しいです。
他にも今日新たな発見もありました。
芽掻きのこと追いついてなかったら、楮自ら回答くれましたのん。あり得んけどホンマ。芽掻き要らんよ。

私は15年前までの7年間は山にある自生楮を採って来て漉いてました。
なので、単一作物として元田んぼだった耕作放棄地での「栽培」は結構苦労してます。
一方で、そこら中に楮がある高知西南。
自分の楮畑を鹿に全滅されてから、また山取りです。

鹿の害もないし、こっちの方が楽かもとか思ったり。
私を知ってる人の畑の際に楮だけ残して草刈りしてる人も出て来たり。

あと一日で今期の草刈り終わりそう。
番頭はそこらのおっちゃんと同じ様に草刈り機扱い始めた。
ああ、さすが男の子やな。

一方で夏に来た、さくらちゃん。
楮の品種の違いにアンテナ全開でそこら中を採取しまくった。
そのお供で一緒した、みんながそこら中に楮あることに気がついて
運転してても目利きになってきて、いろんな報告が入る(笑)
野山にこんなにあったがか!!って。
これ、私の原点と同じ事しよるの、おかしい〜。

私は紙だけど、衣食住全てが足元にあって、それで暮らせるんだよね
長年やってるけど、ぐるりとひとまわりして・・・。
基本に戻って来た感じ。
ええ感じ。
類は友を呼べば、どうなっていくんだろう・・・。

とにかく、自分の中に抗えないくらいの塊がきたら
まず、自分がやることで、発信なんかしなくても同類は集まって来る
この夏のさくらちゃんの動きが、少なくとも3人の男衆に影響及ぼしてるの見て、嬉しかった。
懐かしい感情が蘇って来た。
時代がどうなっていけども、人の喜びの根源は同じ。
私の場合、紙を漉く事はそこに繋がってるんだと今日も確認。
山を介した里の恵み。
今一度そこからもう一度見るといろんなこと見えて来て、あとは人の中に眠ってる細胞が教えてくれる。
畑や山に行くとそういうことに気がつくし、はっとさせられる。
工房に入って漉く仕事や紙を加工する時にも、このエッセンスがあるのとないのでは
私の場合全然違って来るんだろうなあ。
歳取って(いや実際、昨年はできたことが今年は人の手借りないと無理が一杯)楮の現場に入れなくなる日は近い
野山で採りまくった10年はこの後来るとは思えない。
それでも元気なうちは、このエッセンス毎年欲しいなあってつくづく思った。
仕事を続けられる身体をキープしたい。

posted by ハレハレ本舗 at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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