月に一度の取り組みの定例会。
カレンダーめくって「あと3回じゃ!」
やっと猛々しい草刈りから解放された楮組。
一方、作業がうまく進んでない柚の除草に今月は応援出す余裕です。
高知県の中でこの幡多地域は楮の植生が他と違って良質な品種の「赤楮」一種のみが自生してる。
厳密に言うともう一種居ますが、それは限られたエリアのみで、混ざる事はないようです。
高知は楮が5種類あると言われる楮天国。
紙の種類に応じてよりどりみどりなんですが・・・
幡多の赤楮を東へ持って行っても交配するか、土地的に合わず難しいとも聞きます。
私はここの楮しか知らないので、比較もできないですが、作っていて紙にして好きだからこれで良いし
まずはこの恩恵を一生懸命「維持」することだと思っています。
いろんな産地の紙をお使い下さって、「気に入った」とか「墨付きが一番良かった」とか言って下さる方が居られるからには
出番はあると信じてます。
その若山楮、収穫までのラストスパートに入りました。
もう汗だくの草刈りや芽かきは終わり、あとは猪や鹿の被害に目を配り、葉っぱが順調に紅葉して落ちるのを待つだけ。
取り組みでやってる地域協議会は地元の食の分野も勢い出てきたし、5年後を想定した柚栽培の手入れもあり
そちらへしばし応援になります。
そして全ての作業が終わって一気に楮の収穫作業へ雪崩れ込む。
合間には次の春に移植する開墾作業もやっていきます。
殆どジャングルを切り開いていく。。。
こういう開墾とかその場所の性格を見抜くとかそういうことは経験しないと、各自が腹に収まらないと進まない。
私が17年格闘してきたことを伝えても(除草剤なし、掘り起こししない、ビニールマルチなんか邪道!)やってみないと気が済まないのが百姓だなって。(笑)
で、ならやってみればとお付き合いしてきて、ことごとく「あかんわ」とやっとなった5年目です。
今春、機械入れて畝立てしたところは春に雨がなくてほぼ全滅。
掘り起こしもせず、そのまんまの地べたへ移植したのは6割強根付くのを見て・・「畝を高くするとあかんね」と。
失敗は成功の母ですなあ(笑)
山に自生してる楮を見れば判るやん、あはは。
そんなこんなでの50年ぶりの楮復活事業、最終年度。
やはり80代と一番馬が合った。
あの手この手の70代、機械や農薬当たり前の60代の男性陣には手こずってます。
お母ちゃん達はオーライ、どんな世代だろうとOKです。これが5年やってきた手応えですね。
ほんとは、もっとどっぷりと若山に首まで浸かれば早かったのかもしれない。
あっという間の5年でした。
そして正念場はこれからです。
いろいろと思うことはありますが
まずは今年の最高級の原料を作る。
収穫から後は文字道理「原料職人」の働きに全てかかってるのです。
どんなに汗だくな農作業がほとんどでも、このあとの2ヶ月の「職人」仕事が無ければ和紙の原料は産まれない。
使ってくれた紙漉さんから厳しい指摘も来ています。
幻の若山楮の復活は職人意識にかかってるなあと。
今日の会議でヒートしたのは楮ではなく・・・・
開墾して猪にやられっぱなしの畑に林立してる「コンニャク」
高知では楮の間にコンニャクを植えるのが昔のやり方。
もうコンニャクのことで本日は終わった(笑)
なんとか移植して楮畑にコンニャクを!でした。
そういう考え方が芽吹いてる。嬉しいなあ。自分一人の楮畑では妄想しても手が回らない。
今時、そういう混植してる楮畑って無いでしょうね。
5年前話しが来たときはコンニャクや小豆との共生を考えていたのですが、いかんせんモチベーションが低くて無理と思ってた。
やっぱり、高知はええ線持ってるなあと思います。
ただし!無理強いしたり、やらせが通用しない。人が自発的に盛り上がるのを待つ時間とお付き合いなのです。
根気よく、タイミング間違えず・・・
楮栽培が50年ぶりなら人間の感覚も50年前にフィードバック。
急がば回れなんだとつくづく思いました。が、いかんせん高齢者ばかり、どのみち復活してもまた瀬戸際は必ず来ます。
あと5年もすれば皆顎が出始める。
ここからはほんとに価値観を共有できる関係を「作って」いかないと淘汰されるものは淘汰されていく。
和紙なんか食えないし、無くても構わない・・・のならそれもありかもしれない。
どういう選択をしていくのか?
それは漁師が魚のことだけ、百姓がお米のことだけでの目線では無理なんだと気がつくことにかかっていると感じます。
今回、コンニャクのことに気がついた。
気がつかせてくれたと思う。
そういう循環してる「生命」の中での和紙ということに私自身もびっくりしたわけです。
本で知ってたことが実際目の前で展開してるので(笑)
待ってたわけではないけど、見たかった世界。
本で知ってるからやりましょうと促しても多分やらないだろうに、向こうから波が来た感じ。
来たらヒートしちゃって大変(笑)あっちへ行くかこっちへ行くかと大騒ぎ。ここでやらないで何時やる?みたいな(笑)
なんか波乗りに似てるかも〜
2011年10月05日
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