フェースブックで楮のへぐり(楮の外皮を剥ぐ工程)をアップしたら
その包丁欲しいという声が・・・
なので欲しそうな人にもメッセして9本までに。
本日、発注して来ました。
四万十町にある鍛冶屋「黒鳥」(以前はとても面白いHPあったんだが・・・無くなってます)
四万十町や黒潮町では農具の鍛冶屋と言えば即答で「黒鳥」とかえって来るのであります。
こだわりの「こんなん作って!」を1本でもやってくださる職人気質なご夫婦です。
土佐市で細々とつくられてる、白皮にへぐる包丁しか私は知らず、ずっとそれでやってきました。
へぐり自体習ったことがなく、自己流の試行錯誤でしたが、遠からず間違ってなかったようです。
高知は楮の産地で、へぐりも色々でそれに適った包丁がいくつもあるようです。
若山楮が立ち上がった際に片道2時間近くかかる土佐市まで買いに行くのが大変で、3年前に地元の黒鳥さんへ持ち込んで
更に改良されたのを作って頂きました。
「こういうふうにやるの」と楮を持ち込んで実演してやりとりする事2時間以上。
使う側の無理難題と作る側の経験と。
話は多方向に飛び、農具の事や色々面白くて、人の手の延長の道具の素晴らしさをいつも教えてもらいます。
で・・・何度も通ってるけどいつもカメラ忘れてて・・・。
10数年前に紙の本場の伊野町から紙漉さんがやってきて「紙切り包丁を頼まれた」と。
見た事も聞いた事もない包丁を「こんな感じ」と書かれた絵だけで作ったことあるでと。
その時の試作が1本大事に取ってあるのです。
一体こんなばかでかい包丁で紙を切るってどんな紙漉さんなの〜?と思った事でした。
値段を聞いても教えてくれない(笑)
一回こっきりの1本だけの注文に2〜3本作ると仰ってました。
紙も特注の場合サンプルのやり取りでかなりの紙を漉きます。
OKが出るまでにかなりの没が出ます。
お客様は一枚なんだけど、一枚って無理で最低でも50枚くらい漉かないと、その一枚ができない。
そういのをいつも経験してるので黒鳥のご夫婦とはついついのめり込んでしまうのであります。職人だ!!
今では裁断機という機械が普及してて、包丁を使って紙を切る人は少ないでしょうね。
この包丁も使い手がなく、いつもショーケースの下で大事にくるまれて眠っております。
左がへぐりの包丁です。
だけど昔からの紙漉が1軒だけで、あとは私しか居ないこんな西の端っこの鍛冶屋でへぐりの包丁が頼めば出来るって。。。
嬉しいし、有り難いし、楽しいことです。
道具の作り手も激減してて、風前の灯火なんだけど、それなら作れる様にするしかないのです。
黒鳥さん、息子さんが修行入りしてました。後継者できたやん!と言えばお母さんは「まだまだ〜!!!」と。
ずっと作ってもらいたい。
柄の部分も本日更に進化することにさせました。使い買っての良い「手の道具」です。
古くて新しい。これが大事なんだと思います。
で・・・スタッフがグラインダーで研いだの見て「あかん!」のひと言。
水を使って砥石で研ぎなさい。やっぱりね・・・と。
手の道具は愛着を持ってこまめに手で研がねばいけません。
出来上がったら送りますが、間違ってもグラインダなんかで
そそくさと研がない様に。
2014年02月27日
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