2016年07月27日

西瓜の日

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毎年夏に西瓜!の日をなんとか作りたい私。
3年生から6年生まで頑張るので、3年間楮畑な拳ノ川小学校。
春に今年も始まりますよ〜の時に必ず一人は「今年も西瓜あるが?」と聞いて来るのでプレッシャー。
実は家の集落に西瓜作り名人のばあちゃんが居て、毎年10個も20個も持って来る。
「孫も食べないから、あんたならどうにかするだろう」と言うのです。
大きなスーパーやコンビニができて、田舎の子供のおやつが変わってしまったんだね。

私は自分の熱中症対策に西瓜は不可欠。
されど、おばあちゃん死んじゃってからは、どこからも西瓜は来なくなった(笑)

今年、ひとつ奥の集落のおばちゃんと仲良くなって事情を話したら・・・。
来ましたよ、立派なのが!
時価で2千円はするな(笑)

この日は5、6年生は田んぼの作業で楮には来ない筈が。。。
「西瓜あるで〜」と校長先生に言ったので、なんと田んぼの後に楮の芽掻きまで。
実は兵庫から助っ人のお姉さん2人も来てるし、番頭も友達の百姓もという日で。。
子供達はお姉さんにかぶりつき(笑)
10時過ぎには作業完了して西瓜食べて終わりの筈が。。。
11時まで畑から出ずに汗だくでした。
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終わって川で手を洗ったりして涼んでから・・・
お約束の西瓜!

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塩は勿論黒潮町の天日塩です。
「ここ、体験で行った所や!へえ〜美味しい!」って。
体験したのに食べなかったの?って。
「西瓜にかけるとこんなに美味しいですねえ!」と先生達も驚いてました。
塩仕事してたときは、採りたての塩をぶっかけて西瓜を良く食べてました。

畑作業で玉の汗を拭きながらの天日塩の西瓜程の御馳走はないです。
そういう食べ方を小さい時に知って大人になってほしい。
なんとか今年も面目保てました。
おばちゃんありがと!

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2016年05月31日

マイ楮

今年も始まりました、拳ノ川小学校の畑授業。
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3年生からやるようになって3年目なので、今年たったひとりの6年生は3年目のベテランです。

「今年は誰もが初めてのことがあります」と言うと
6年生の男の子の顔がきりっとした。
そりゃそうだろう、なんせ地味な授業で、草抜くか、わき芽取るかしかない毎年だし、暑いし、ブヨいるし。
3月に移植した楮の事どうやって説明しようか?と考えてた。
今年卒業した子達の中に6年生になって転校して来た子が居た。
卒業式の時、他の誰よりこみ上げて泣いてた。
拳ノ川小学校の子供達は、本当に人懐こくて小さい子の面倒見も素晴らしい。
きっと転校して来て最初は不安だったんだろうけど、良い想い出一杯できたんだろうなあと推測する(笑)
なので本日のレクチャー。

「隣の畑から3月に転校して来た楮の株がみんなの畑に居ます。見分け方は地面に籾殻蒔いてるので色が違うの
そして、葉っぱの出方もここに住んでる楮より小さいか、昨日出たのかな?という小さい葉っぱです。無理やり株を触るとまだ根っこが伸び切ってないから簡単に抜けちゃうので、人一倍気をつけてね。新しい場所に来てここで生きられるかなあって不安なんだよ。せっかく出た芽を間違って刈ってしまうと、ダメだ〜ってなるから人一倍大事にしてあげてね。みんなの仲間入りさせてあげてね」

それからもうひとつ。
「親株から独立しようと、出た1年生が沢山います。大抵は1本しか出てません。これも大事にしてあげてね」

子供達に判り易くって思った説明だったけど。
実際そのまんまだもんなあ。草刈りしてると「お!やっと出たかね」とか「お独立かね」とか言ってる私。
ほならね・・・・・。
毎年成長記録をつけるので、今年最初に「マイ楮」を決めるのですが・・・・。
選ばれた楮はどれも移植されたのや、1本だけ出て来たのを選ぶ子が殆ど。
丁寧に草を刈って根元に優しくしっかりまとめて。
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これ私に取っては凄いプレッシャーで機械で間違って刈り飛ばすわけにいかないじゃん・・・って。
おまけに先生の激が飛ぶ。
「メジャー持って来い!しっかり計るんだぞ!」
マイ楮は毎週伸び具合を計られるのであります。これ、私凄いプレッシャー(笑)

ほなら、なかなかに優秀でおませな女の子がやったこと見て唖然。
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次に来た時に判る様に目印の棒を刺した。。。
間違っても絶対刈り飛ばしたらあかん。。。。

子供達から教わる事の方が仰山あります。
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それにしても今年の若山楮の流行はアフロ!
まずいです。。。
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たった一人のお母さんのおっぱいに40人くらいの子が。。。
枝を剪定することは大人かなあ、先生かなあ。。と思ったけど、来週子供らにやらせてみようと思います。
この子達、先生達はもう私と同じ目線で、専門用語理解してます。
畑へ入った事の無い原料商より理解してる(笑)
やってみよう!

今年は高知大学生が参加して来るので、もうプロの域の子供達に大学生担当してもらおうかと思ってる。
面白くなって来たなあ。
一日頑張ってここまで。
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ビフォー&アフターが良く判る。(笑)

タグ:楮授業
posted by ハレハレ本舗 at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 小学校

2016年01月31日

卒業証書完了

先週火曜日にラストの学校だったんだが。。。
数日は若山楮の出荷や悪天候で干せず。。。。
やっと晴れたので、本日完了。
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干しながら、溜めに溜め込んでた洗濯や道具類の片付け。
早く次の仕事に入りたいのに進まない片付け。
宴会の名残の酒瓶が恨めしい(笑)
家の竃は小さくて、いっぺんに大量に煮る事ができない。
おまけに機械のスイッチ壊れた。。
頭ばかりが焦ってしまい、井戸水だというのに出しっぱなしにして只今カラッケツ。
ならば、薪割りもやっておこうと割り出したら、台にしてる丸太が腐りかけで、あっけなくお陀仏。
あ〜なんか空回りしまくった今日でした。

気分転換に今日は海散歩。
浜辺に薪割り台にぼっちりな杉の丸太を発見。
一人と一匹は最期の最期で「今日も善き日」となりました。

もう明日は2月です。
今度は一人作業なんで、もう出歩く事はほぼ無理です。
楽しいお誘い。。。誘惑せんといてくださいね。
posted by ハレハレ本舗 at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 小学校

2014年01月29日

移動紙漉きの旅

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やってきました、この時期が!
卒業証書漉きです。
普通は工房へ来てもらうもんですが、私も最初の頃は来てもらっていた。
しかし、スペースがなく、ただ漉くだけでは漉いてない子が飽きる、遊んじゃう・・・。
そして、ただ漉くだけなら「簡単じゃーん」になってしまう。
15年くらい前に佐賀小学校の教頭先生がやってきて漉かせたいと。
色々話しました。
ただ漉くだけなら「伊野町の紙の博物館」の方が設備も整ってるし、なんなら「工芸村」もあるし、バスで行ってやった方がええのではないか?と。
私の所でやるなら全部の工程を少なくとも3日くらい通ってもらってやらないと意味がない。と申しました。
先生は「そうなんです、米作りも田植えと稲刈りしかやらないと簡単だと思ってしまって意味がなくなってしまうんですよね
本当は畦塗りや草取りやらをやらせないといけないのですが、なんせ子供達も忙しくて・・・」
ゆとりの時間が出来る前やったかな?とにかくご破算になってました。

それが佐賀小の熱血母ちゃん達が動いてなんとか漉くだけでも!と教育委員会にも頼み込んで・・・。
漉くだけを3年間やりました。
これじゃーあかんし・・・でも家の工房で1日で全行程は無理やし・・・。
3年前に東京で移動紙漉きをなさってる田村氏から「手伝え!」とのご指名を頂きました。
田村氏はこの移動紙漉というカテゴリーを創ってしまったという素晴らしい方です。
http://www.ijcee.com/hiroba/profile/tamura_tadashi.html
東京の学校3カ所以上回ったかな?ひとクラス30人とかいます。
へぐりから始まって塵取り打開までやって紙を漉くのであります。
ちゃんと紙の歴史も話しますし、質疑応答まで!
言う事聞かない子には怒ります、本気で(笑)
朝始発に乗って帰りは11時とかだったけど、もう口あんぐりで、その流れの見事な事、移動にするための道具の見事な事。

素晴らしいですねというと
「そっくり丸ごと真似て良いからやりなさい」と・・・。
ご自分で長年かけて作り上げて来たスタイルをぽ〜んと明け渡しです。
紙漉というのは実は漉く事は簡単だと思います。
東京の「紙舗直」の坂本直さんにも始める前に言われました。
「紙漉きは子供でも出来る、大事なのはそれでどうやっていくか?半農、半漁とかの生活への覚悟はあるのか?」
だから、なかなか知り得たことを紙漉さんは教えてはくれません。
それがぽ〜〜んと。

なのでそのまんま遠慮なくやらせて頂いてます。
家の工房の何倍もある広い理科室や美術室。水もあるし、少々濡れても平気。
師匠と同じワンボックスの時は積み込みが大変だったけど、昨年から軽トラで楽チンです。
まあ、毎度思うのは「どんだけ道具いるんや〜紙漉」ですが(笑)
師匠と唯一違うのは紙干しは私が仕上げます。
なんせ卒業証書なんで厚いし、透かしが入ってるので・・・。
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明日午前中が一年間楮を育て蒸し剥ぎ、へぐりと全行程をこなした拳の川小学校。
午後は伊与喜小学校。
2月1日が佐賀小学校です。
黒潮町の佐賀エリアの子供達です。全員蒸し剥ぎを体験しています。
半日でへぐりと塵取りと打開をしながら漉いて行きます。
それぞれの学校の校章の透かし入りの桁を持っています。
本当は他の工程もやらせたいけど、今の所これが精一杯です。
このスタイルなら何処へでも行けますです。

明日早朝に「とろろ葵」を濾して積み込んだら出発。
しかし、ここまでの準備に延べ1週間かかってまする・・・。
もうちょっとサクッとできるようになりたいけど、一年に一度で忘れてるよなあ、段取り。
蓋付きバケツが行方不明とか打開に適した材を薪にしちゃったで〜と焦ったり。
もうちょっと数こなさないとあかんですね・・・。
タグ:卒業証書
posted by ハレハレ本舗 at 19:06| Comment(1) | TrackBack(0) | 小学校