2018年05月04日
柚子
楮群生地開墾からあの、今冬分の薪作りからあの、芽吹いて来た楮畑草刈りからの。。。
私が所属してる「集落活動センター佐賀北部」は楮の他に食部と柚子があるのです。
食部はセンターとなってからは、町内の弁当や直販所で忙しい。
柚子は楮と同じ頃に始まって10年近く。
柚子も楮も責任者はそれぞれ一人で回して来た。
楮は私が移住者や、ネットで人をかき集めてなんとかなってるけど・・・。
柚子は実に地味で(笑)地域の中でなんとかやってきた感あります。
佐賀北部の皆も当然ながら、この10年で高齢化です。
そんな訳で、楮が3人チームになりつつあるので柚子もやろうと。
とは、言え草刈りのエキスパートちゃいますから(笑)
今回、黒潮町に移住して35年目というシルバー人材で活躍する方に御指南受けました。
森林組合の経験もある方ですが、チップソーで大怪我の経験もある。
「僕はナイロンコード1本だよ」というのを聞いて。
以前からナイロンコード使いたいけど判んない私は速攻でお願いしました。
彼が長年蓄積してきた「コツ」をポンポンと教えて下さった御陰で。。。
3日目、3人、かなり会得!
ホームセンター行ってもどれ買ったらええかも判らない。
謳い文句に騙された経験ありだからね。
柚子は楮みたいに、どこに居るの?と捜さなくて良い。(今の時期は)
だから、思いっきりやれるんであります。
ここなら、刈った草がどんだけ飛び散っても掃除も要らない。
今まで背が高くなってしまった大草をチップソーで刈れども、それがマルチ化して地面の通気性を悪くしてたし
そう言う所からは更に手強い草が生えると思ってた。
大体が、大草をチップで刈る程大変なことは、なく。
石に当たった時の身体へのリアクションもきつい。
ナイロンコードの利点は、石垣が綺麗になること。
石垣は除草剤を使うと崩れるけど、チップでやる気にならなかったのだね。
一日草まみれになっても、石垣がさっぱりと見える様になったら「感動しますね!」
古の人々が積んだ石垣です。
刈る前。
刈った後。
楮もそうなんだけど、作物の周囲だけ刈れば良いわけじゃない。
「風通し」です。
畑全体に風が通る事。
たった2本しか居ない畝も全体をさっぱり。
柚子の木陰がこんなにくっきりと。
全体もこんな感じです。
楮畑の草刈りでは今の時期はコード刈りは難しい。
そして、「草は土」という私の考えなので、畑の中は笹刃で続けますが、鉄柵などの苦労に一筋の光が!
楮5反強(増えた今期)
柚子畑5反?
工房周辺も入れると
草刈りだけで1町超え。。。
無農薬でやるとなれば百姓は仕事が草刈りなんだなと。
それ以上、それ以下なんてないのだな。
草刈りが好きで良かったよ。
あ〜さっぱりしたっ!
2018年04月27日
ど〜んと来い、冬!!
このひと月、楮畑の日照を遮り風通しを悪くしてる樫の大木を伐ってもらったり
楮が生えてる耕作放棄地の開墾や、工房前に山裾から突き出す様に生えてる楮の大木を伐ってもらったり。
それらを、運んで枝葉を燃やし、玉切り、割って、新しい棚を作って貰い、やっと積上った薪。
ひと月だけど、主に週末に集中してやってきた。
ほぼ3人とお助け1人でした。
毎度思うのは、積上った薪って美しい。
昨年は1年以上放置された木(杉、檜が多かった)を手斧で割った・・・。
今年は若山楮の工房の備品の薪割り機ジュニアー君がいよいよ本稼働。
昨秋、台湾カエデという超難儀で、拗じくれの株元の巨大なのを割りまくってるので、既に軸が少々曲がってますが(笑)
今回は、樫、椎、黄櫨、槙、杉、楮という真っ直ぐで割りやすく薪には最高の広葉樹が殆ど。
立って割る式のジュニアー君。
エンジン式で、直径50aでも楽々。(持ち上げるのは重たいけど・・)
しかもこんな風にケーキカットみたいに4つ割りとかできちゃう。
とても優秀で、私でも楽々です。
ちなみにレンタルしてます。
ご連絡下さい。
nakajima@hale-hale.com
年間通じて楮を煮る、収穫作業である蒸し剥ぎでは25釜くらい焚くし、昨年から工房は薪ストーブで
2ヶ月間毎日朝から夕方まで焚くので、半端ない薪の消費量。
加えて私や、手伝ってくれる友人達の家の薪ストーブ分も。
これで、大体消化しちゃうのです。
わざわざ薪の為に伐ったのではなくて、掃除で出る、開墾で出る。
だから、杉や檜じゃなくて、主に広葉樹となる。
貰ってくれてありがとうって言われる。
人件費考えると高いけど(笑)
やりすぎ注意ってことで、一人のときは1時間やったら休憩。
休憩時に、本をめくる。
今読んでるのは、漆工芸家の方の本。
外では塵も積もれば的な肉体労働。
今自分が何やってるんだか不安になってくると、本をめくり・・・。
外の仕事が気になり出すと閉じて、再開。
ネットやテレビじゃ、こうはならない。
「何やってるんだ〜?自分」という私に付き合ってくれてる本。
昨春完成した工房をこの一年、稼働させる事、動線など実質的なことに追われまくってた。
収穫作業も無事こなした工房2年目は、此処から産まれる紙についてやっと頭が行く様になり
過ごす時間の在り方に気が回る様になってきた。
動と静。
大所帯と独り。
長年の頭痛かった薪問題はこの工房周辺で調達出来る事が、それもうっかりすると半端ない量であることが
判ってきて、頭の中の「今年の薪どうしよう」スペースは必要なくなった。
山菜採りみたいに「ちょっと足らんね、あそこの木伐って来よう」で済む。
これは実に有り難いこと。
空いた頭のスペースも有効に使わなくちゃね。
2018年04月08日
春仕事
前回のブログが「へぐり」作業だったから、激寒だったはず。
それから、怒濤の出荷までの作業を終えたら3月末になっててバタバタしてるうちに暑いとなってきた。
毎年そうなんだけど、楮を増やすのに移植作業に取りかかるので、焦る。
諸事情あって・・・
一気に増やすには、既に大木になってる群生地を開墾するしか無い。
というわけで、昨年から決めてた工房前の「御神木」と呼んでる楮の大木を何本も伐ってもらった。
中でもこの楮は美しく、なんとも言えん気持ちになったが。。
伐れば根元からわんさか出るのである、10年どころじゃない樹齢だと思うが「若返り」して頂いて
また子を沢山産んでね!と。
ここ数年何度も通ってるのに、つい先日気がついた群生地。
田んぼ辞めた耕作放棄地に何本も。
川に面した崖には「ウラジロ樫」の大木も。
もっと極太になってる別の畑の大木も伐ってもらった。
風通しを悪くしてる、日照を遮ってるという大木を伐ることができたのは
黒潮町に初の自伐林業を目指して移住して来た、いっしーが昨年からメンバーになってくれたからこそ!
1週間くらいかかって伐り出して、太い所は薪に。
山積みとなった枝葉は工房の土地の数倍にも及ぶ地面を占拠。
これを2日掛かりで焼く。
若山楮最初の開墾で学んだ。
伐ったのをそのまんま残したら、後の草刈りが大変で危ないという事。
9年かかってやっと伐った木が朽ちた所もある。
だから大変でも、引きずり出して安全な場所で燃やすのが大事。
放置したら、タダのゴミ。
持ち帰れば、今冬の薪ストーブに使える太いのも有る訳で。
手前の分は今冬のストーブ用にします。(全然足らないと今年は判ったし笑)
伐るより、後の処理の方が何倍も大変。
今日無事に終わって、本当にほっとした。
ところが今年は自宅の引越もあるので、ハレハレの畑にある楮も引越。
となると、今しかないのである。
昨日掘り起こした株を今日工房の斜面に向けて、お引越完了。
でかい石だらけの急斜面。
朝陽当たります。
まだ第二弾あるけど、それは梅雨に。
若山楮と那須楮を棲み分けさせて・・・。
もう私の定番になってる籾殻農法。
斜面だから根っこにも石を詰めました、根がつくまでに転がらない様に。
あとは籾殻てんこ盛りかけて終わり。
山で採取で感じたのは、斜面では楮は石を抱く様にして生えてる。
河原でも、石垣になってる所で大木に育ってるし、瓦を不法投棄された所に大喜びで生えてる(笑)
根付いてくれると思うけど。。。
あとはとある無謀な挿し木をトライします。
これで、なんとか春にやらないといかん作業がほぼ終了。
2018年03月25日
つらつら
このブログのタイトルは「紙漉つらつら」だったと想い出す。
つらつらの割りには、仕事のことばかりで、全然つらつらじゃないなあ、ここ数年。
ちょっと今日はつらっらってみるか。。。
この頃なんとなく、頭の隅っこに引っかかってること。
どこかで、一人で仕事出来る時間やスペースをそろそろ構築していかないと、全然違うレールに載ってしまう
ということ。
こう見えて、大勢と仕事できる性格じゃない。
自分の世界観とは異なると言っても良いくらい、違う世界にここ数年。
私とその異なる世界を繋げてるのは唯一「楮」
けっして紙じゃない。
同じ雑草を見ても価値観が真逆な世界の中で走り続けてきたことは、実に大きな学びだった。
あ・うんで通用する仲間達とは別世界で(笑)能書きなんか垂れても聞いてもらえない。
あるのは、誠心誠意と結果出し。
ふとこの頃思う。
そろそろ、これはこれで、次へバトンタッチして、自分の世界観掘り下げても良い頃合いかもねと。
大所帯になる、なってしまう私の性格。
だが、そうなればなるほど、一人で仕事することへの渇望が沸いて来る。
基本は人にも時間にも縛られるのが大嫌いだからこそ、大勢の異なる価値観を持つ人とやる時期を与えられるんだな、20代も30代も40代も50代も。
人が好きだからこそ、距離が縮まってしまい、結果突き放すことになるのも同じ。
人との距離の保ち方について、本をめくるも。。性格的に無理だと感じる。
自分じゃない「人」には、なれ無いんである。。
ここんとこ、80代、90代の生の声の文章や映画に偶然行き会う。
うむむ。。
まとまりが無くなって来た。。。
つまり、自分が向いてる方向が確実に「死」へ踏み込んでる世代の方が近くなったと言えるのだ。
「やり残した事」なんかをなんやかや言えるのは、やってないからだし、周囲の期待も凄いと本人以上に尾ひれがつくし、おひれをつける人は自分がやれてないんじゃないかなあって感じる。
30代にこの辺鄙で美しく、物作りにとっては、誘惑も少なくお宝ゴロゴロで、物作りにとって大事な「食べ物」が本物で頑張れば自給もありな場所に流れ着いたということは、もうそれだけで苦しかった都会暮らしから解放されて、殆ど余生である。
自分の中に、あとやってみたいことが、殆ど無い事に薄々気がついてる。
ここ数年継続してる事が、ほぼやりたいことに集約出来てるから。
あとは、規模を小さくして一日の中で循環出来る様になるのが「老人力」だと思うのだが。
一時はどうなるのやら!という事もあった。
それでも、やりたいことを続けられたし、続けさせて頂けた。
自分から開いちゃって収拾がつかないくらい開いちゃってという経験と。
閉じちゃって、一切を拒んでもこじ開けられて生かされてるという感覚を頂いた。
その、どれもに「楮」がぴったりと張り付いてる訳で。。。
確か小学校入学の秋のことだったと思う。
家の近くの空き地にセイタカアワダチソウや蓬が大きくなって自分の背丈より高く枯れ始めた頃。
なにげに、茎を折ると中から真っ白な綿みたいなのが現れて、それをこそげ落として「綺麗だな」と思ったのが私の「物心」だった。
つまり楮から紙になる白皮を取り出すという行為は、この6歳のときに誰からも教わらず、後の自分の人生なんかもわからずだったのに「美しい」と感じた事を鮮明に覚えてることが、今の暮らしでも時々フィードバックするんである。
そうやって考えると瞬きなくらい時間は短い。
この頃は大変だった事、悩んだことなんかほぼ忘却の彼方だ。
似た様な展開がそれでも懲りずに来るみたいだけど、ここまで来たらもう大丈夫かな。
自分の原風景に再びと思うのである。
つらつらの割りには、仕事のことばかりで、全然つらつらじゃないなあ、ここ数年。
ちょっと今日はつらっらってみるか。。。
この頃なんとなく、頭の隅っこに引っかかってること。
どこかで、一人で仕事出来る時間やスペースをそろそろ構築していかないと、全然違うレールに載ってしまう
ということ。
こう見えて、大勢と仕事できる性格じゃない。
自分の世界観とは異なると言っても良いくらい、違う世界にここ数年。
私とその異なる世界を繋げてるのは唯一「楮」
けっして紙じゃない。
同じ雑草を見ても価値観が真逆な世界の中で走り続けてきたことは、実に大きな学びだった。
あ・うんで通用する仲間達とは別世界で(笑)能書きなんか垂れても聞いてもらえない。
あるのは、誠心誠意と結果出し。
ふとこの頃思う。
そろそろ、これはこれで、次へバトンタッチして、自分の世界観掘り下げても良い頃合いかもねと。
大所帯になる、なってしまう私の性格。
だが、そうなればなるほど、一人で仕事することへの渇望が沸いて来る。
基本は人にも時間にも縛られるのが大嫌いだからこそ、大勢の異なる価値観を持つ人とやる時期を与えられるんだな、20代も30代も40代も50代も。
人が好きだからこそ、距離が縮まってしまい、結果突き放すことになるのも同じ。
人との距離の保ち方について、本をめくるも。。性格的に無理だと感じる。
自分じゃない「人」には、なれ無いんである。。
ここんとこ、80代、90代の生の声の文章や映画に偶然行き会う。
うむむ。。
まとまりが無くなって来た。。。
つまり、自分が向いてる方向が確実に「死」へ踏み込んでる世代の方が近くなったと言えるのだ。
「やり残した事」なんかをなんやかや言えるのは、やってないからだし、周囲の期待も凄いと本人以上に尾ひれがつくし、おひれをつける人は自分がやれてないんじゃないかなあって感じる。
30代にこの辺鄙で美しく、物作りにとっては、誘惑も少なくお宝ゴロゴロで、物作りにとって大事な「食べ物」が本物で頑張れば自給もありな場所に流れ着いたということは、もうそれだけで苦しかった都会暮らしから解放されて、殆ど余生である。
自分の中に、あとやってみたいことが、殆ど無い事に薄々気がついてる。
ここ数年継続してる事が、ほぼやりたいことに集約出来てるから。
あとは、規模を小さくして一日の中で循環出来る様になるのが「老人力」だと思うのだが。
一時はどうなるのやら!という事もあった。
それでも、やりたいことを続けられたし、続けさせて頂けた。
自分から開いちゃって収拾がつかないくらい開いちゃってという経験と。
閉じちゃって、一切を拒んでもこじ開けられて生かされてるという感覚を頂いた。
その、どれもに「楮」がぴったりと張り付いてる訳で。。。
確か小学校入学の秋のことだったと思う。
家の近くの空き地にセイタカアワダチソウや蓬が大きくなって自分の背丈より高く枯れ始めた頃。
なにげに、茎を折ると中から真っ白な綿みたいなのが現れて、それをこそげ落として「綺麗だな」と思ったのが私の「物心」だった。
つまり楮から紙になる白皮を取り出すという行為は、この6歳のときに誰からも教わらず、後の自分の人生なんかもわからずだったのに「美しい」と感じた事を鮮明に覚えてることが、今の暮らしでも時々フィードバックするんである。
そうやって考えると瞬きなくらい時間は短い。
この頃は大変だった事、悩んだことなんかほぼ忘却の彼方だ。
似た様な展開がそれでも懲りずに来るみたいだけど、ここまで来たらもう大丈夫かな。
自分の原風景に再びと思うのである。
2018年01月03日
明けましておめでとうございます
元旦から作業してます。
今年程年末年始感ないのも久し振り。
工房の周辺は高速道路の追い込みでダンプの往来が激しい。
この年末年始だけ静かな数日。
日頃通勤で一緒の長太。
この数日は、工房周辺でまったりと過ごせました。
長太が穏やかなれば、私もホッとします。
テンパりっぱなしの昨年からですが・・・
いよいよもっとスタンスを長く見ないといかんな、収穫に追いまくられてるばかりではいかんなと。
そして、やっぱりもっと自分を大事にしたい今年です。
ご飯に付き合ってるうちに、うたた寝しちゃった長太
なんとも、ホノボノです。
マイペースを大事に、今年も始まりました。
2017年12月31日
今年もありがとうございました
今年もありがとうございました。
10年振りに帰省せずの年末年始です。
今日だけ時間を作り、手に負えなくなってた家を片付けるも。。。
ここ10年間の資料整理がメインで家の中は・・掃除機掛けただけで終ってしまった。
7年間続けた田んぼは来年一旦停止です。
その為に今年は田んぼ本当に頑張りました。
田んぼにならない2畝で真菰を作り始めたのが5年前。
たった5本が1畝くらいに拡がった。
真菰茶が必要な方が居られて、3年前からお茶専用に。
こちらは、必要としてる方が居られるので続けます。
楮、紙漉、お米、真菰。
欲張った10年間を振り返り片付け。
注連縄を買いに行く時間もなく、父のお墓に添える為に取ってあった残りの稲穂と真っ白になった真菰葉と
若山楮の茜染めの紙を、楮の紙縒りで束ねて精麻で〆て、庭の南天にたった1本だけ実が残ってた枝を添え。
精麻以外は全部手前物。
まるでリースみたいですが、これが今年の私の〆です。
この正月飾りには本当に多くの方々の手を頂きました。
ありがとうございました。
机周りも片付けて、来年の暦を。
今年、自分の暦がなかった(笑)失敗したのを直し直し使ってました。
今年も、正式なのは残らなかったです、ありがとう!
サンプルで、流石にコレは売れなかった(笑)
一年間使って又色々考えます。
七十二候のこのスタイルもあと3年!
無地の柿渋紙に背筋伸びます。
作業開始は明日元旦から!
ハレハレ本舗、若山楮、来年もどうぞ宜しくお願い致します。
2017年12月23日
楮蒸し甑
並びました、ツインです。
若山楮のここ数年の地元の甑。
小さい方がハレハレで使って来た佐賀から来てた甑。
今日、ハレハレの工房の最期の大物引越でした。
何度も寸法を測って、それに合う釜が春に完成してたのだけど。。
実際被せてみるまではドキドキでした。
ジャスト!!ほっとした。
ハレハレの方は予備というか、剝ぐのに追いつかない時用。
竃も壊れてたし、鹿にやられたハレハレの楮畑の復活は手を尽くせども復活しなかったので
この3年、自分の原料収穫は無しでした。
煤まみれになってたなあ(笑)
60年以上前にはこの地域のどこかの家で働いてた2つの甑が並んで鎮座。
今宵は昔話に花が咲いてるかも。
春から何度か試運転してきた竃。
やはり少々難ありで、2本目の煙突を今日立ててもらいました。
限りなくお金がないので、左官屋さんとハレハレのお古です。
78歳左官屋さん、ご苦労様でした。
で、いっしーと番頭で割りに割った「台湾カエデ」の山を今日から薪積み。
色々考えて今回は小さく仕切ってみます。
いつまで続く?新工房がちゃんと稼働する為の作業!
本番までひと月切りました。
やること膨大過ぎて目眩するし、胃が口から飛び出しそうです(笑)
10年続けてやっと馴染んだ竃から新品でやるプレッシャー判って欲しい!と誰に言えば良いの〜(笑)
やってみないと判らん事だらけ。
10年前の初日を思い出す。
10年前と違うのは、ひとりじゃないということ。
大勢のみんなに助けられてる。
昨日、工房の入り口に仰山の端材と何故か上等な炭が。。
誰が持って来たのか謎。
だが、端材が必要だと判ってる人。
有り難く使わせてもらいます!
冬至が明けて、空には三日月。
今夜の2つの甑の語らいが気になるなあ。
もしかして隣同士の家だったかもしれない。。。
2017年11月05日
海と山
連続週末台風もやり過ごして、見事な秋晴れが続いてます。
今日、工房でお昼をしてると、地元ケーブルの友人がひょっこりとやってきた。
「秋の動画になるのを捜してる」って。
私ここへ移住して来て最初の年に思ったんが。。
「秋がないで〜」だった。(笑)
見つかったなあ?幡多の秋・・・・。
昨日から佐賀北部の9地区のひとつの集落である「中の川」で自生楮を伐採してて・・・。
私らがうろついて楮採ってるなんてことは、一晩で知れ渡ってるだろうなあって思ってたら。。
案の定、毎年「へぐり」に来てくれる、ゴッドマザーシスターが当然の様に、田舎寿司どっちゃっり差し入れ。
若山楮の原動力のひとつに、この皿鉢の寿司がふるまいってことがあります。
これが来るのが中の川の底力。
元気な過疎にはカリスマゴッドマザーありき。
「昨日、あんたらが楮採ってるってよ〜ってよ、今朝行けば渡せると思ったからね〜、採るならもっとええとこあるで〜」
いやまあ、中の川集落は全体に手が行き届いてて良質な楮がごっそり。
来年から、この集落の山を得て自伐林業を始めた石井君に楮栽培第3号になってもらうべく、伐採。
私の家は海から3`奥。
5分足らずで国道へ出て、西南地方でも珍しいロングビーチに突き当たる。
其処から海を眺めながら、新しい工房へ40分。
工房は国道から500b。
さりとて、楮の「仕事場」はどこも山の中。
今日は石井君の山へも行けた。
手作りの作業道を3人でテクテクと。
説明を聞きながら、楽しそうな石井君と番頭。
山はええねえ。私も基本は山なんだろうなあって再確認。
長太は大喜びで山の中探検。
今年は日曜日は全部作業になってるけど、長太久し振りに嬉しい山の中。
一昨日までは生家の海三昧だったので、犬としては恵まれた犬生かもね(笑)
日が短くなって5時には日が暮れる。
帰りの海沿いの美しい事!
晴れ渡り、足摺まで見える砂浜の波打ち際はオーロラ色。
山から降りて海沿いをドライブして山の中に入る仕事&暮らし。
帰宅後、薪で風呂沸かして、ストーブつけて、湯たんぽ作って長太はもう布団。
幸せやん。
2017年10月28日
柿渋染め紙
実はハレハレでは「柿渋染め紙」をやります。
常に在庫は難しいですが、昨年の柿渋紙が在庫されてます。
使う予定がキャンセルとなった為。
サイズは64a×48aという変形サイズです。
久し振りに今日棚から出してみたら、良い感じに色合いが落ち着いてます。
若山楮100%流し漉き。
裏表両面に一度づつの引き染めです。
ご興味おありの方はメールにてご連絡下さい。
寝かせば寝かす程色合いが深まり、紙の地合も良くなって行きますので、在庫処分は致しませんが(笑)
若山楮紙そのものが光沢があるので、柿渋染めにすることで、更に独特の光沢が出る様に思います。
今日は、この若山楮のチリ入りの紙を柿渋染めしてました。
柿渋の香りは好きです。
しかし・・・
明日には台風来るかもな雨の一日。
柿渋でだいぶ酔いました。
今年の暦の表紙となります。
(やっと今日決断!)
2017年10月08日
お膝元
「海辺の日曜市」というマーケットが黒潮町にはあります。
毎月第2日曜日の9時から2時まで。西南大規模公園の体育館前の芝生広場で。
ブログはこちら。
https://blogs.yahoo.co.jp/hm_umibe
今日は出店というよりお買い物で(笑)
後半は真夏日なれど、涼風に吹かれて昼寝してた私ですが。。
まずは、本当に嬉しそうな「ちくぽか」さんから。
私の住む集落からほんの少し奥の奥湊川へ移住してこられたご家族。
旦那様は鍼灸師さん。
娘ちゃんもマーケットでアイドルになってます。
今年初めてお米を作り、それを今日売ってました。
試食のおにぎりが美味しかった〜。
大変だったそうですが、本当に嬉しそう。
震災以降の若い移住家族は、お米作ろうと頑張る人達が結構居ます。
一方の限界集落では高齢化してて、田んぼが出来なくなってる。
うまくバトンタッチされて行くと良いんだけど、お米作りは本当に大変なので、こういう嬉しそうな顔が見えるマーケットはやっぱり良いなとしみじみでした。
さて長くなるね(笑)
今日のお買い物!
先月お金なくて取り置きしてもらってた刃物屋さん、四万十市から(名前聞きそびれた)
これって。。楮収穫の為に作られた?って先月一目惚れ。
刈り取りと枝打ちの為に毎年、剪定鋸と鎌を持って畑なんですが、必ずどっちか行方知らずになったり
誰かが勝手に持って行く。。
一石二鳥なこの刃物!
使い勝手が良ければ、鍛冶屋さんに新しく作って貰うかも。
ユニークなお店で、珍しいのやなんやらをリニューアルして売ってます。
紙漉体験でお茶くらい出せる余裕をかましたいと思い始めてます。
勿論真菰茶ですが、現在の若山楮にある茶碗は、皆が「捨てるよりは。。」と持って来たバラバラな物ばかり。
黒潮町には陶芸家が居ますもん。
さとうきび紙のコースターと合わせてみたら優しい印象。
日常屋さん。
日々毎日使うというコンセプトで作陶してらっしゃる。
奥さんのしのちゃんと包んでくれてます。
しのちゃんのシフォンケーキも海市では常連さんが多い。
作者!
黒潮町は昔から移住者が多く、アーティストやクラフト作家さんが実は多い。
地元の人が海山川という豊かな営みというバックボーンがあればこそなんだろうとも思ってます。
一通りお目当てを買いましたら。。
ここんとこの悩みの種の黒板がっ!
ネットで見てもそそらず、困ってた。
工房に不在も多い私なので連絡黒板をと捜してたんですね。
あった!あった!なんでも揃うね海市と。。。
水野さん作成の流木黒板。
こんなん自分で作れるろ〜というのが可笑しかったです。
夏のグラスもKiroroさんで思ってる。
全部がお膝元で揃うって心地よいです。
少しづつだけど、そういう場所にしていきたい工房。
海市大助かりです。
出店はあまり出来なくなって来てるハレハレ本舗。
テントもだいぶガタが来てて、とあること考えてたら今日作者が数年振りに現れた。
作れってことだね(笑)
お膝元での出店のみになるので、もう少しがんばろー!
毎月第2日曜日の9時から2時まで。西南大規模公園の体育館前の芝生広場で。
ブログはこちら。
https://blogs.yahoo.co.jp/hm_umibe
今日は出店というよりお買い物で(笑)
後半は真夏日なれど、涼風に吹かれて昼寝してた私ですが。。
まずは、本当に嬉しそうな「ちくぽか」さんから。
私の住む集落からほんの少し奥の奥湊川へ移住してこられたご家族。
旦那様は鍼灸師さん。
娘ちゃんもマーケットでアイドルになってます。
今年初めてお米を作り、それを今日売ってました。
試食のおにぎりが美味しかった〜。
大変だったそうですが、本当に嬉しそう。
震災以降の若い移住家族は、お米作ろうと頑張る人達が結構居ます。
一方の限界集落では高齢化してて、田んぼが出来なくなってる。
うまくバトンタッチされて行くと良いんだけど、お米作りは本当に大変なので、こういう嬉しそうな顔が見えるマーケットはやっぱり良いなとしみじみでした。
さて長くなるね(笑)
今日のお買い物!
先月お金なくて取り置きしてもらってた刃物屋さん、四万十市から(名前聞きそびれた)
これって。。楮収穫の為に作られた?って先月一目惚れ。
刈り取りと枝打ちの為に毎年、剪定鋸と鎌を持って畑なんですが、必ずどっちか行方知らずになったり
誰かが勝手に持って行く。。
一石二鳥なこの刃物!
使い勝手が良ければ、鍛冶屋さんに新しく作って貰うかも。
ユニークなお店で、珍しいのやなんやらをリニューアルして売ってます。
紙漉体験でお茶くらい出せる余裕をかましたいと思い始めてます。
勿論真菰茶ですが、現在の若山楮にある茶碗は、皆が「捨てるよりは。。」と持って来たバラバラな物ばかり。
黒潮町には陶芸家が居ますもん。
さとうきび紙のコースターと合わせてみたら優しい印象。
日常屋さん。
日々毎日使うというコンセプトで作陶してらっしゃる。
奥さんのしのちゃんと包んでくれてます。
しのちゃんのシフォンケーキも海市では常連さんが多い。
作者!
黒潮町は昔から移住者が多く、アーティストやクラフト作家さんが実は多い。
地元の人が海山川という豊かな営みというバックボーンがあればこそなんだろうとも思ってます。
一通りお目当てを買いましたら。。
ここんとこの悩みの種の黒板がっ!
ネットで見てもそそらず、困ってた。
工房に不在も多い私なので連絡黒板をと捜してたんですね。
あった!あった!なんでも揃うね海市と。。。
水野さん作成の流木黒板。
こんなん自分で作れるろ〜というのが可笑しかったです。
夏のグラスもKiroroさんで思ってる。
全部がお膝元で揃うって心地よいです。
少しづつだけど、そういう場所にしていきたい工房。
海市大助かりです。
出店はあまり出来なくなって来てるハレハレ本舗。
テントもだいぶガタが来てて、とあること考えてたら今日作者が数年振りに現れた。
作れってことだね(笑)
お膝元での出店のみになるので、もう少しがんばろー!
タグ:マーケット
2017年10月06日
暦
七十二候を配しての、手漉き紙に手書きの暦へリニューアルしてから9年目です。
御陰さまで毎年心待ちにして下さる沢山のお客様ありがとうございます。
今年の目標は、「間違い無し!」です。
毎年、なんかあります・・・・。
普通なら、金返せ!となる様なことも、お客様の優しいフォローでくぐり抜けています。
本当に有り難いし、こんなこといかん!!
本日、来年の暦の準備。
遅いんじゃないかと、既にご予約も有る中。
例年だと、まだ楮畑の草刈りに追われて、しかも稲刈りもあってと、正直、机にきちんと向き合えなかった。
今年は、先日楮畑完了。
稲刈りは天気が悪く段取り出来てませんが。。。さくっと刈って干せる様な案配に仕上がった!
一年間を通して、やるべき時にやる事の大事さを痛感してます。
真菰茶も発送体制が整い、もうアタフタすることない。
加工部屋の片付けも終了して、暦に正座して迎える体制に。
ひたすら書いて行く机の前の庭も綺麗に草刈りです。
目に入る風景も乱れてるとまずいからです。
暦の相棒はこの本。
毎年候を選ぶのも、これを読み、書き疲れるとページをめくり、目の前の風景眺めながら。。。
9年間ずっと一緒です。
他のを読む気になりません。
絵が素晴らしいし、文章も素晴らしい。
例え暦が終っても、一生もんの本です。
若い頃に比べると、ほんとうに一年が早い。
時間の流れが速い分、自分の中に取り込めることも限られてきてます。
この著者は多分にお魚が好きですね(笑)
草花、虫、天候のこと優しい水彩画です。
動物は「食べる」にあらず。
あまり動物が沢山出て来ない七十二候。
動物は、静かに山の中で気配を漂わせてるんだなあと、今日しみじみと。
ところが、魚の事は七十二候にもあまり出て来ないんだけど、食べ方も結構あるんです(笑)
今日一日、思案してめくってたら、どうにも刺身食べたくなってしまった・・・。
2018年手書き暦は・・・・
愉しみにしてて下さいね。
近日中にアップします。
こんなに落ち着いてる年も初めてかも。
これも、抱えてた色々を分かち合ってくれる人が増えたからこそ、感謝です。
この暦は2020年で完結します。
既に新しいサイズの桁が届いてて、はやる気持ちを押さえてます。
私の手元には全部が揃ってません。
お客様には全部お持ちの方もいるとか・・・。
いつか、もしかしたら全部を見る事ができるかも。
あと3年、宜しくお願い致します。
2017年10月05日
成仏
15年の相棒の草刈り機がついに成仏。
草刈り機を使い始めたのは17年くらい前。
最初に友人から貰ったのは森林組合からのお下がりで、始動させるのに汗だくで、男がやればかかるという
今では骨董品みたいなの。
これが当時は普通で、女じゃ始動すらできないじゃないか!と手鎌兼用だった。
すれば「今時は軽々スタートってのがあるよ」と。
まず、2万クラスのホームセンターのハンドル付きを財布はたいて買った。
これが本当に一発でかかった時は狐につままれたみたいだった。
その後、楮畑では夏以降はハンドル付きが使いにくく、もう1本今度はハンドル無しを2本目に。
ハンドル付きは、田んぼの中の除草に使って6年前におシャカにしてる。
水中で4サイクルでもないのにやらかして、焦げ付いてオジャン。
今なら思う・・無謀だ(笑)
これが後の「水中除草アイガモン」に繋がるのであるが。。
残るは1本式のみ。
広い面積を刈るにはハンドル付きでないとしんどい、
地元の農機具屋さんへ持ち込んで、壊れたのからハンドルだけ外して1本式へ付けてもらった。
以来この1本式なのにハンドル付きというので、自分の楮畑、若山楮畑、田んぼ、家回り全部を刈りたおして来た
田んぼの中だけは、背負い式4サイクルでこの4年。
楮の備品で高い機械買っても、使い勝手は自分の機械の方が良かったから、殆ど使ってない備品機械。
今日、稲刈りに備えて畝刈してたら、最初は出来たんだけど。。。
自分の畦刈り終えて。。。
燃料補給したら、もう息を吹き返す事なく。。
数日前から「なんか調子悪いな」とは思ってた。
一発でかかりにくく、作業中もスロットル上げないといかんかった。。
「新しいのはどれも新基準で握ってないと止まるアレになってるから、これずっと使いたい」って思ってた。
15年前に17800円だったこの子はずっと農機屋さんにメンテしてもらいながら、頑張った。
農機屋さんのおっちゃんも「まだまだ行ける」と使い方やメンテも教えてくれた。
何度もダメかも?を修理してくれて、とっくに新しいの1台くらい買えるお金かかってたかも。
今日「かからんねん・・。大丈夫だよね?まだ行けるよね?」と持ち込んだ。
内心、嫌な予感。。
昔飼ってた犬がご飯食べなくなって、母と病院へ行った時を想い出してた。
「もう、ダメだな。あたらしいの1万5千円台で売ってるから。これ直すとなると8千円以上かかるから、買い替え時かもしれん」と。。。
そう・・ご臨終、安楽死宣言。
新しいの持って来い、ハンドルつけちゃるけん!
と、ハンドル外して渡してくれた。
今、新しい草刈り機捜す気になれない。
機械音痴で、なのに、使い方はハードで。
いつでも、一発で始動してくれて、過酷に耐えて。。。
この草刈り機とのこの15年って、想い出有り過ぎて、ちょっとまずい午後。
機械なのに、機械じゃない。
ハンドルだけ持ち帰るってのも、まるで遺骨持って帰るみたいで。
機械なんだけどね、身体の一部だったんだなあ。
今夜はお通夜です。
庭に残ってた最後の曼珠沙華を添えて。
冬支度
なんとも久方ぶりに大掃除。
今朝起きて来て、机の上に物がないのって何時以来?と。。。
ゴチャゴチャしてた時よりも、なにやら、厳かな「声」の方が圧倒的だなあ。
涼しくなって、ぶるっとするくらいになってきたので、薪ストーブや風呂焚き回りも掃除。
工房は、いつも人が来るので常に掃除されてて、慌てる事はない。
実は家に籠る性格です。
時間さえあれば、家の中で工房の中で仕事してたい。
どっかへ行きたいという欲求は少ないなあ。
通勤状態になって寝に帰るだけになってる家。
楮畑の草刈りがほぼ終了してる、ただしい若山楮の1年。
番頭の御陰。
稲刈り終われば、アウトドア的動きから、籠ってなんぼになっていきます。
11月にちょこっと、新しく開拓する所の楮刈り取りはあるのですが、今回頑張れば
ここの楮も来年からは、若山楮と同じ収穫時期に。
今夏は本当に暑くてしんどかった。。。
一人だったら、絶対に無理だった。
3人体制になりつつあります。
冬支度始まりました。
2017年09月09日
秋晴れ
湿度が高く、さりとて雨は少なく、いつもなら一瞬出るアブがず〜っと飛びまくる夏でした。
季節の移ろいなんていう優しい感じじゃなく
昨日まで座ってても汗まみれから、いきなり薪ストーブに火入れるかよ?というリアクション。
だからと言って油断許さず、翌日はいきなりの高温多湿。
翻弄されまくりなのが夏から秋へのステップ。
春から夏とは全然違う。
行きつ戻りつ、地上の湿度もだいぶ抜けて来て、空はどこまでも高く、海はどこまでも透き通る。
動けば汗はかくし、アブも季節の終わりで必死だけどどこか動きが鈍い。
井戸水は、とっくに暖かくなり、工房の山水も柔らかくなってきた。
地面の下は冬に向かってる。
久し振りに、工房仕事。
新しく始まった「紙漉体験」で頭から火が出る程なのは私です(笑)
ええ?それやる?
ええ?だから・・無理やと言ってるのに・・あ、できた!みたいな。
自分の刷り込みの壁。
教えてなんぼって思ってたのが、そもそも間違いかも(笑)
特に今までできればやりたくなかった大人達ですねん。
子供は言われた通りに一心不乱でやってくれるけど、大人は最初から応用しちゃうからねえ・・・。
学びだなあ(笑)
今日はサンプルや、お待ちになってる方の紙を漉き、午後から次の仕込み。
見事な天気で、半日で取り込める!
川からは気持ち良い風が吹き抜けて。
いつもなら漉き舟の下に避難してる長太も、あろうことか日光浴
今日は工房仕事してたらお客さんが来てくれて、しばし私も長太も楽しかった。
仕事場なんだね。
いろんな人がふらりと来てくれて、しばし仕事の手を休めたら、帰った後の捗りが良い。
何よりも長太が嬉しいのであります。
仕事上の打ち合わせなので、離れた所に繋いでたら、ずっと文句タラタラ。
放したら机の下でじっと聞いてました。
そうやね、長太も立派なスタッフやねんな。了解!
タグ:紙漉体験
2017年08月17日
草の香り
始まりました。
真菰の収穫。
自分が飲みたくて、作り始めた真菰茶。
最初5本だった真菰は2畝程の湿地を半分以上覆う様になりました。
先に生えてた盆花との同居で、今頃は盆花の濃いピンクと真菰の緑が綺麗です。
刈り取り後、選別して分蘖してる葉っぱを外して屋内の風通しの良い所で乾燥です。
全くの自己流であります。
我が家の一番風通しが良いのは2階の寝室。
今夜から極上の香りに包まれて眠ります。
毎年、これがやりたくてやってるとも言えるなあ。
草の香り、真菰香り。
この上なく、役得!!
まるで青畳のような爽やかさです。
真菰は場を浄化する働きや、結界を作るとも言われてる様です。
相も変わらず混沌とした、おつむを寝てる間に浄化してくれるかも。
タグ:真菰茶
2017年07月30日
盛夏の楮
暑中お見舞い申し上げます。
いやまあ、ほんとに心からそう思う暑さ。
湿度も半端ない今夏は「天然サウナ」に無料で毎日入ってる感じです。
御陰さまで大量の汗をかいて、調子は良い方だと思います。
工房の水槽に木樽。
もふきさんがお元気な昨年に頂きました。
こうしておけば、漏る事もないし、作業後この中に頭突っ込めます!
さて、楮畑3回目の草刈りが始まります。
2回目6月から7月にかけては、ほぼ番頭が一人でこなしましたよ!偉い!!
真夏は、草刈りというより鉄柵の点検(台風シーズン到来)
根無葛がでてないか?とか、そういう事だけでもやらないとと、、
鉄柵が2bなので、軒並み2bは楽勝に越えてますから、3b近いのもあります。
蒸れに寄る葉っぱの黄変もなく、実に綺麗です。
日中の炎天下作業は、そろそろ危険であります。
今日も春先ならあっちゅうまな面積に四苦八苦、バテバテで退散です。
つばの広い麦わら帽子は被れない時期到来。
ハンドル付き草刈り機も限界。
楮が大きくなり、潜り込んでの草刈りになっていきます。
春先には、まだまだ植える余地あるなあと思っても夏になると、これ以上植えたら草刈りできんわとなる。
この下の写真の急斜面だけは、ずっと手鎌草刈りですが。。
4反以上も、這いつくばる根性はありません。
ああ、ロボット掃除機みたいな草刈り機でないかなあ!
草刈りの動きも振るのはダメになってくる。
抜き差し動作です。
今日も朦朧として来て太い楮を3本ほど刈り飛ばしてしまった。
これ心臓にも悪い。
退散です。
2017年07月11日
2017年06月14日
普段
朝一で、まずはお掃除。
広いからやりがいあるなあ。
窓も多くて毎日1枚づつって最近はやってる。
7枚あるので、1週間で一巡り。
そして花を生け変える。
今、山は白い花が沢山。
そろそろ、オレンジ色が色々と咲き出す。
ノカンゾウ、オニユリ、モントブレチア・・・。
花に目が行く余裕がやっと戻って来た。
この花は山じゃなくて庭に咲くノウゼンカズラ。
掃除が終われば、長太は寝そべる。
コンクリートの床は冷たく、この頃はまだ肌寒い。
プチプチシートにシュラフに自分の座布団。
落ち着くみたいで、塵取りしてるとずっと寝てる。
さてお昼。
この間買った、竹細工さんの深めの籠は2段重ねのタイの弁当箱にばっちり。
枇杷をあちこちから貰う。
デザートもばっちり。
勿論長太のおやつも。
若山楮の仲間達の写真があるから、独りでここで仕事してても賑やか。
曇りで暗い夕方はちょっとだけ灯りをつけてみる。
一通り見渡して、ドアを閉める。
長太は伸びをして、散歩の時間だよ!と枝加えて待ってる。
普通というか。。。
普段というか。。。
どうぞ、この静かで穏やかな日々が続きます様に。
2017年06月11日
苧麻
繊維と聞いて今時の人は「食物繊維」をまず思い浮かべるんじゃないかな?と思う。
コンビニやスーパーでも「繊維たっぷり!」なもんが溢れてるからねえ。
さて、苧麻です。
別名からむし、ここらでは「ウラジロ」「ハド」など俗称が実に多い。
「ウラジロ」は見た目そのままで、葉っぱの裏側が白いから。
「ハド」は8回刈ってもまだ出て来るから。
そしてジツは楮の天敵でもあります。
苧麻が悪いのではなく、この葉っぱを食べて成長する「フクラスズメ」の毛虫が苧麻が足りないと楮の葉っぱへ移動して葉っぱを食べ尽して楮の生長を止めるからです。
楮と苧麻はセットというくらい同じ場所に居ますので、ある意味目の敵になってしまう。
紙漉でも楮農家でもない人は、楮ですら親の敵みたいに伐るけんど(笑)
できればこの苧麻を刈り飛ばした後、糸にできんかなあって毎年想うけど手が足りない。
高知へ来る前、西表の機織りさんの所でお世話になった時。
台風が来て船が出ず、やることなくて呑んだくれてると。。。近所の人が次々と苧麻の皮を持って来る。
「来たら最後全部処理するねんよ!」とその日から夜なべで外皮を・・・まさに「へぐる」作業が続きました。
その後の糸にする工程は見てなくて。。。
まさか自分がその後楮の「へぐり」に明け暮れるとは夢にも思わなかった。
今日裏の苧麻を刈り取って剥いでみました。
感じとしては今頃がリミットかなあ。
たった数本やっただけで指先真っ黒であります。灰汁が強くなってる。
苧麻織りで有名な産地では楮と同じ様に「芽掻き」をするそうです。
2年前、苧麻の糸作りのワークショップで矢谷さんが仰ってた。
「芽掻きしたり肥料入れたりするけど、見渡せば日本の田舎にはそこら中にあるのよね」と。
これは楮についても同じ事が言えるのではないか?とそのとき思った事でした。
少なくともここら辺は楮だらけですから。
ただし、7年間くらい山や河川敷で自生楮を採る事をしてて思った。
全ての地面には所有者がいて、憎い楮が居なくなったら、そこに田畑ができたり道ができて、毎年貰う事は不可能で、私は掃除屋なのか?と。
理由を話しても「金にならん」で一瞥されてしまう。
鉄柵も張らず、生き生きとした楮を自由に採取出来る環境はもうない。
苧麻も同じ運命なんだろうなあ。
今宵はこれを処理してみて、上手にできないかもしれんけど・・・。
今年の暦の軸の紐にしようと思ってる。
紙は紛れも無く植物の繊維で出来上がってます。
そのことを何時にも増してこの頃とても思う。
1本の苧麻から紙にもなれば、衣服にもなる。
刈り取った先の工程で枝分かれしていくのです。
食物繊維だけじゃないよ。
ダイエットだけじゃないよ。
では内職に戻ります。愉しいね。
2017年06月02日
山水
光の具合が宜しく無くて、。。。
これは2等級の若山楮、塵あり、ヤケあり、甘皮残ってますので少し黒みかかってます。
昨日炊いてあった楮を灰汁抜きしました。
新しい工房は山から水を引いてます。
作ってもらった水槽はオーバーフローするように頼みました。
「こうこうこういう工程で、こうしたいから、ここをホレ」みたいな説明。
比較的若いタイル屋さんが「そっか、オーバーフローするんやなっ!」と淵に傾斜つけてくれて。。
高齢の左官屋棟梁が穴開けて。
最後に一番若い大工の棟梁が排水パイプを何気につけてくれた。
これを本日お初の「オーバーフロー」
私の今までの工房は井戸水でした。
井戸水というのはポンプアップで電気です。
調子こいて流しっぱなしにすれば呆気なく底尽きます。
何よりも気がかりなのは電気代!
そこが、ずっとしゃくにさわっていたわけです。
それに水換えは重労働だし。
お昼に煮上がった楮を水槽へ移して、トロトロと山水を出しっ放し。
つい頭の中は電気代!になるのが可笑しかった。
3時間位で、見事に晒し完了です。
流しっぱなしなので水はこの気温が上がってる今日でもキンキンに冷たい。
引き締まった楮に仕上がりました。
晒してる間に染めの染料は煮だせるし、漉く事もできるし。
ネットもまだ来てないので、仕事120%できる。
今までの仕事なんだったの?です(笑)
お昼に奥の林道散策。
長太大喜び、私興奮。
植生が面白いです。
漉き込む草花にことかかない。
定番のシダ群生地も見つけました。
何よりもこの10年一緒に楮をやってきた区長でもある元さんが夕方ふらっと立ち寄ってくれる。
「漉いてるのか〜」って。
色々話せるのが嬉しい。
まあ、心配してる、お前生活大丈夫かって。。。
直販所も立ち上がった北部。
ベースはできつつあると思う。